始まり
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それから間もなくピザが届いて、量に驚いた
『これ、5人前位ない?』
「どんな計算したよ。3人前くらいだろ」
『二人しかいないのに』
「イケるっしょ、なんてったって十三年ブランクある流菜がいるんだから」
愉快に笑いながら食べる準備を進めていく五条君
『いやいや、ブランクあっても胃袋は変わらないよ』
「お前が死んでる間に色んな種類が出たんだって、食べ比べよーぜ」
『言い方っ!、でも本当だ』
元々ピザはあんまり食べてないから新鮮だけど
ここまで色んな種類のピザがあるのは想定外だった
『ふぅー、ごちそうさま』
「言うわりに食べたね、太ってるかもよ」
『デリカシー!』
怒鳴る私をかわして後片付けをする五条君
『私より食べてた五条君の方が太るんじゃないの?』
「僕?、あれくらいフツーだよ」
『え……普通、なの…?』
私の倍、つまりは二人分を平らげた五条君
身軽に動く彼に、長身な人ほど食べる量が必要なのかもと思った
手伝おうとすると制され、ゆっくりしてなよと言われ大人しく従った
『お腹いっぱいー…』
ソファに座って満腹感に幸せを感じる
食べている間の会話も楽しかった
スイーツの話に、東京タワーより高い建築物が出来た話
他にも大きなショッピングモールが出来たとかで今度行ってみたいと思った
一人だと楽しくないから硝子と夏油君も誘って皆で…
『あ、そっか…』
此処は未来の世界だから、私の知ってる皆じゃないんだった
此処は私の居た時代、世界じゃない
元に戻るにはどうするればいいかそろそろ考えないと
考え…
「流菜ー、今から風呂に行くけど、暇ならテレビ付けてもいいから」
『はーい、ふぁ…』
片付け終わったのか離れた所で五条君の声がした
答えると欠伸が出てしまい口を隠した
「もしかして眠い?、先にベッド行く?」
『んーん…、平気』
「そう?、じゃ、行ってくるね」
『行ってらっしゃい』
私の事を気にしながらリビングから出て行く五条君を見送って再び考える
あの時、気配は感じたのに術者は居なかった
ある程度離れた距離から発動出来る術式だとすると死角からヤラれたと考えられる
『ふぁ…』
そうなると五条君の眼でしか捕らえる事が出来ない
『五条君に、聞ぃ、たらいいのか…』
私が消えてからどうなったのか…
『きっと、皆…心配、して…』
再び欠伸が出て目がトロンとしてしまう
ちゃんと考えないといけないのに、モヤが架かった様に考える行為を妨げられる
『眠ぃ…』
閉じそうになる瞼を擦り気張るが、直ぐにトロンとしてカクンと首が落ちてしまう
テレビ…より水を飲んだら頭が冴えると思い、立ち上がろうとすると足が絡まりソファに戻りバランスを崩して横たわる
『うぅー…』
此処は五条君の家だから寝る訳にはいかない
このままの姿勢だと寝てしまうので起き上がろうとするが力が入らない
『お、きな…きゃ……』
ソファが気持ち良くてフワフワする
誘惑に負けてしまう…
此処で寝たら五条君に何されるか、と思うと閉じかけた眼が半分開いた
写真撮ったりラクガキしたり、服の中に何か入れたり…絶対に嫌な未来しかない
"だーいじょうぶ大丈夫!、流石に生徒と同い年のお前に手なんか出さないって"
『………』
何故か思い出した、その台詞
いつもなら信じられないの一択だが、判断が鈍っている今は神の声に聞こえた
『だ、い…じょー…ぶ、だぃ…ーーーー…』
閉じていく瞼…
真っ暗な視界で声にならない言葉をポツポツと繰り返し唱え、私は深い眠りについた…
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