始まり
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高層マンションに住んでるだけでも凄いのに、エレベーターで着いた階は最上階
『もう、何からツッコめばいいのやらっ』
「散々ツッコんでたじゃん、まだあんのー?」
玄関で立ち尽くす私に、はよ上がれと急かす五条君
初めこそちゃんと答えてくれた彼も面倒になったのか、口調がかなり砕けていた
綺羅びやかなエントランスにコンセルジュ、エレベーターのモニターに最上階の通路の内装
何もかもが私には新鮮で感動が止まらなかったが、これ以上は怒られるので人間って凄いと無理矢理結論付けた
『お、お邪魔します』
「プッ」
頭を切り替えて挨拶をすると何故か笑われた
『何で笑うの?』
「お前、コロコロ表情変わりすぎ」
『そう、かな…?』
「そうなんだよ、見てて飽きない」
噛み締める様に笑って肯定し、ポンポンと軽く頭を叩いてリビングへ向かう五条君
飽きられるよりはいいかなと笑みを溢して後ろに続いた
『凄っ』
リビングでまたしても思った事を洩らしてしまう
白い内装に少ないが高級感のある黒い家具が配置されていて、一言でいうと大人な部屋だ
「はい、ジロジロ見ない」
『あぅっ』
また暴走しないようする為かペチッと冷たくて固いモノで頬を小突かれた
離そうと掴むと手を離され私の手の中に収まった
ペットボトルの飲料水だった
彼を見ると自分の分も持っていて口元に近付け少し傾ける
飲めって事なんだろう
『いただきます…』
蓋を開けて飲むと冷えた水が喉を潤していく
自分が思っていたより渇いていたのかもう一口、もう一口と続けて呑んだ
ほぅと息を付いて水が身体に流れていく感覚に酔いしれる
「腹の方はどんな具合?」
『えーっと、空いてるかな』
「なら出前を取ろう、何か食べたいのある?」
『え、いや、そこまではいいよっ』
そう言うと五条君はピタッと制止した
何故?、と思っていると口を閉ざしたままゆっくりと近付いてきた
その高身長と目隠しで来られると恐い
「変に遠慮をするのはこの口かなー?」
『っ!、いひゃいいひゃいぃ!』
いきなり両頬引っ張られて驚きと痛みでパニックと涙目になる
「ついでに言うと僕も腹減ってんだよね。出前取るなら一人増えても変わらないっしょ」
『かひゃる、ひはすふ』
力は弱くなったがグニグニと遊ばれ言葉が変になる
「いいから、黙って奢られなさい」
『………ふぁい』
「分かれば宜しい」
返事をすると漸く離してくれ、ジンジンする頬を抑えた
『痛いよ、もぅ強引なんだから』
「可愛くないお前が悪い」
『っ、何それ』
口調が柔らかくなっただけで態度は変わらない
自分は悪くないです、って思考に私はいつも振り回される
「だからそういう…‹RRRRRRR♪›」
突然着信音が鳴り、言葉が止まった
『電話、鳴ってるよ』
「別にいいよ、どうせ下らない内容だし」
動かない五条君に出るよう促すが出る気はない
『いや駄目でしょ!、仕事の電話だったらどうするの?!』
そう訴えると凄く顔を歪められた
「えーーー、誰かいるから大丈夫でしょ」
『うわっ、変わらない面倒くさがり!、大人になってますます質悪い』
いいから早くと急かす私に根負けしたのか五条君はシンクに凭れて渋々携帯を取った
「んだよ、伊地知かよ。ピッあ"ーい、もしもし」
うわ、不機嫌丸出し
こんな大人にはならないようにしよっ
「そうだよ、間の悪い奴め」
相手の人、可哀想…
忙しかった?の問いにサラッと答えたのだと察する
失礼な彼はともかく、大事な話になるかもしれないので離れようとすると…
『!』
何故か手を取られて止められてしまった
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