始まり
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ー五条視点ー
ゆっくり浸かる気になれず、シャワーだけで上がって身体を拭く
「ん?」
流菜の呪力が弱い…、眠ったのか
リビングから感じる呪力が微弱で、それは呼吸を繰り返すように一定の波を放っていた
だからベッドに案内しようかと言ったのに、高校生に見えないガキっぷりだ
まぁ仕方ないか、十三年の時を超えた反動か、その前に呪霊討伐してたから疲れが出たんだろ
「流菜ー、上がったよー…」
リビングに行き控えめに声を掛けると案の定、彼女はソファで眠っていた
腕が頭より突き出ていて、必死に眠気と戦い力尽きたのが分かる
そっと近付き彼女の顔の前に膝を付き、邪魔な髪を払ってやる
『んー…』
身動ぎしたが目は開く事なくスヤスヤと幸せそうに眠るので自然と笑みが溢れた
「何の夢を見てんだか…」
ふにふにと頬を突付いてやれば、眉を顰めて払い除けるもんだからプッと笑ってしまった
このまま寝かせてやってもいいが、これだと首がやられるな
「ちょっと失礼」
ゆっくり流菜とソファの間に手を差し込みそっと抱き上げる
『んん…』
浮遊感に驚いたのかうっすらだけど目が開いた
「大丈夫、寝てていいよ。ベッドに行こうね」
『……ご、じょー……、く…』
僕だと認識したのか目を閉じて安心しきった笑みを浮かべた
「軽いな…」
思っていたより軽い、要らぬ世話だろうが此処に居る間はもっと食べさせてやりたくなった
ゆっくりとぶつからない様に寝室まで運んでベッドに下ろす
『んぅ…』
ふかふかのベッドに置かれた事で意識が浮上したのか腕を抜いていると虚ろな目と合った
『きれー…な、め……』
「?、あぁ」
サングラス、掛けるの忘れてた
まぁ、家だしそんなに支障はないかと思って頭を撫でてやると気持ち良さそうに目を閉じた
『わた、し……ご……く…のめ……すき、だよ……』
「………」
まさかの口説き文句に瞬きをする
絶対素では言えないクセに反則過ぎでしょ
「……手は出さないって言ったけどさ」
信じすぎじゃない?
僕は人が出来てるから良いけど他の男だったらどうなっていたか
明日教えておかないと、大人として
「さて、どうするかな」
部屋を後にし、廊下で顎に手を乗せ考える
寝ている子どもを一人置いて外出する、なんて七海が知ったら説教が始まりそうだ
だが今行かないと唯一の手掛かりが無くなってしまう
「まぁ、大丈夫っしょ」
此処のセキュリティは優秀だし、呪霊の方はこの眼がいない事を証明しているから問題ない
「なーんか手掛かりあるかなー?」
リビングに置いていた目隠しと私服のパーカーを羽織り、もう一度ベッドを覗く
スヤスヤと眠っているのが見えて安堵の笑みを浮かべる
「直ぐ戻るから、いい子にしててね…」
僕は彼女を置いて夜の世界を飛んだ…
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