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夏の日のもの想い

もしかしたら、向日葵はその見かけとは裏腹に、本当はとても繊細で寂しがり屋だったのかもしれない。
だから、自分にはないものに憧れた。
あんな風になりたいと、一心に高い高い空の彼方を見上げた。



そして…
向日葵はいつしか地上の太陽になった。
そのことに、向日葵はまだ気付いていないかもしれないけれど、向日葵は知らないうちに夢を叶え、小さな地上の太陽になった。



今年の夏は、向日葵がたくさん咲けば良いのにな…
様子の変わった北の地に、小さな太陽がいっぱい咲いて、それを見たみんなの顔が向日葵みたいになったら良いな。
みんなの心の中にも太陽がいっぱいになったら良いな。
悲しみに沈む心を、闇に閉ざされた心を少しでも癒すことが出来ると良いな。



そうだ…私もいつか向日葵を植えよう。
私の背よりも大きくなるような昔ながらの素朴な向日葵を…
今より前向きになれたら、いつか…きっと…



とりとめもなくそんなことを考えながら歩く暑い夏の日…
私はそっと振り返り、再びあの向日葵に目を遣った。
遠くからでも目立つ大きな向日葵の花が、まるで私を見送ってくれているようで…
私は、わずかに頬が緩むのを感じた。



~Fin
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