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今日も明日も神様日和

「そうじゃ、ちょっとだけ…」

神様が呟かれた独り言に、私は耳をそばだてました。



「だ、駄目です!いけません!」

「……駄目って、何が駄目なんじゃ…?」

「え…と、それは…ですねぇ…」



確かに、私には神様が何をお考えになっておられたかがわかったわけではないのですが…しかし、あの目を見ればわかるのです。
神様が何か良からぬ事をお考えになっておられることだけは…



「い、今更言うまでもありませんが、とにかく人間達に無闇に関わられてはいけません!」

「大袈裟な…わしは、その、ほんの少し、じゃな…」

「ほんの少しのおつもりが大事になることだってあるのですよ。
神様!……お忘れになったのですか?
十五年前のあのことを…」

「十五年前のことじゃと…?
はて、何かあったかいのう…?」

神様はすっとぼけた顔をなさいましたが、あの事件をお忘れになっている筈はありません。
この神様、都合の悪いことにはいつも忘れたふりをされるのです。



「神様…ご存知の通り、この山は頂上からの夜景が美しいことでも昔から有名な山です。
ロマンチックなものですから、夜景を見るために仲の良いカップルがたくさんここを訪れましたよね。
神様はそんなカップル達を見て、羨ましい、妬ましいと、悪戯をなすったじゃありませんか。」

「そんなこと…あったかいのう…?」

神様はなおもおとぼけを続けられました。
けっこうしぶといお方です。
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