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愛すべき隣人

僕は、すぐに手首に装着した小型コンピューターの照準を合わせ瞬間移動装置を作動させ、その場所へ急いだ。
重なり月の期間は約二日。
それを過ぎたら、向こうの世界でまた通路の出現場所を見失い、こちらに戻って来られなくなるかもしれないから時間厳守だ。
僕は重なり月の終わる時間をセットした。
その時間まではあと一日半弱しかない。
急がなければ…!
通路の出現場所とされるのは、僕の住む町からずいぶん離れた田舎町の一角だった。
幸いな事に、その場所は現在空き地となっており、あたりには誰もいない。
僕は計測した場所にエネルギービームを発射した。
すぐさま、地表から少し上の何もなかった空間に黒い穴のようなものが現れ、それが次第に広がって人間がゆうゆうと通りぬけられる程の大きな口を開けた。
やっぱり僕の研究に間違いはなかった!
僕は、興奮に高鳴る胸を押さえ、躊躇うことなくその中に飛びこんだ。
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