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（さて、早速取りかかるか…）



僕は、家に戻るなり、新しい研究を始めた。
それはもちろん、重なり月と通路の固定化の因果関係を探る研究だ。
おそらくこのまま何もしなくても十年後にはまたあの場所に通路は固定化されるだろう。
だけど、十年なんて待ってられない！
しかも、あんな短い期間じゃ向こうの世界について詳しく調べられるはずもない。



次の日に連れて行ってもらえる予定だった新喜劇というものも見に行かなきゃならないし、てっちゃんが応援してるというタイガースというチームのする野球というものも見にいかなきゃならない。
たこやきももう一度食べたいし、キミ子ちゃんと買い物もしてみたい。
東京という所にも行ってみたいし、僕が基本的なツッコミというものを習得するには一年はかかるって言われた。



だから、僕は一日も早くあの世界に行けるように研究を重ねなくてはならない。



それは容易なことではないだろう……だけど、きっと大丈夫だ。
なぜって、僕はあの頭の尖ったおかしな像に願いをかけたのだから。



いつでも好きな時に大阪に行けるようになれますようにって。