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愛すべき隣人

(ここは温かい世界なんだ…)




「てっちゃん、僕…この世界が好きになりました。
あ、あの…これからもずっと友達でいてくれますか?」

「今更なに言うてんねんな。」

珍しくはにかんだ様子のてっちゃんが俯いた。



(ありがとう…てっちゃん…)



「てっちゃん、あそこの角まで競走しませんか?」

「競争て、えらい突然やな。
なんや青春ドラマみたいやけど……ま、ええで。
俺、足には自信あるし。
……負けたらデコピンやで!」

僕らは曲がり角を目指して走り出した。
走る前から勝者はわかってる。
だって、てっちゃんが曲がり角に着いた頃には僕は…



「よし!気合い入れて行くで!
よ~い、どん!」



(さようなら…てっちゃん……)



みるみるうちに小さくなっていく彼の後ろ姿をみつめながら、僕は転送装置のスイッチを入れた。
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