クリスマスのシンデレラ
「あの…それじゃあ、その緑色のは…」
「これですか?
これはルドルフの好物のコケボールです。」
「となかいってコケが好物なんですか?」
「ええ。」
本当にとなかいの好物がコケなのかどうかもわからない。
だから、ますます私の頭は混乱した。
三太郎さんの言ってることをどう理解すれば良いのかと…
でも…今はそんなこと考えたって仕方がない!
今は、とにかく、この素敵なクリスマスイヴを過ごさせてくれた三太郎さんに何かお返しがしたいって想いだけが強くて…
私は立ち上がり、三太郎さんの腕を引っ張った。
「ルドルフを探しましょう!」
*
とはいっても、ルドルフが化けるのはいつも決まった人間ではないとのこと。
だから、出来るだけ私が目立ってルドルフの気を引くしかない。
私は、三太郎さんからコケボールのいっぱい入ったバスケットを受け取って、そこら中を歩き続けた。
でも、私に近寄って来る人は誰もおらず…
気が付けば、いつの間にか、店の明かりはほとんど消え、あんなにたくさんいた人達もまばらになっていた。
「ちょっとあそこで休みましょうか。」
私達は、繁華街の片隅の誰もいない公園のベンチに腰を降ろした。
「ありがとう、亜由美さん。
あなたは本当に優しい方ですね。」
「三太郎さん、諦めちゃだめ!
ルドルフは絶対にみつかるわ!
………あ…」
その時、どこからか軽やかな鐘の音が響いた…
「タイムアウト!」
鐘の音と共に、私達の目の前に若い男が突然現れてそう一言呟いた。
「ぎゃっ!あ、あんた、い、一体どこから…」
「十回目の失態だな。
……それが何を意味するのか…わかってるよな!?」
「……はい。」
「じゃ、行こうか。」
男は私のことをすっかり無視して三太郎さんに話しかける。
そして、次の瞬間、二人の姿が目の前から消え失せた。
「へ…?
さ…三太郎さん…?
三太郎さん、どこ!?」
だけど、二人の姿はどこにもなく…
コケボールのいっぱい入ったバスケットだけを残して、三太郎さんは消え去ってしまった…
「これですか?
これはルドルフの好物のコケボールです。」
「となかいってコケが好物なんですか?」
「ええ。」
本当にとなかいの好物がコケなのかどうかもわからない。
だから、ますます私の頭は混乱した。
三太郎さんの言ってることをどう理解すれば良いのかと…
でも…今はそんなこと考えたって仕方がない!
今は、とにかく、この素敵なクリスマスイヴを過ごさせてくれた三太郎さんに何かお返しがしたいって想いだけが強くて…
私は立ち上がり、三太郎さんの腕を引っ張った。
「ルドルフを探しましょう!」
*
とはいっても、ルドルフが化けるのはいつも決まった人間ではないとのこと。
だから、出来るだけ私が目立ってルドルフの気を引くしかない。
私は、三太郎さんからコケボールのいっぱい入ったバスケットを受け取って、そこら中を歩き続けた。
でも、私に近寄って来る人は誰もおらず…
気が付けば、いつの間にか、店の明かりはほとんど消え、あんなにたくさんいた人達もまばらになっていた。
「ちょっとあそこで休みましょうか。」
私達は、繁華街の片隅の誰もいない公園のベンチに腰を降ろした。
「ありがとう、亜由美さん。
あなたは本当に優しい方ですね。」
「三太郎さん、諦めちゃだめ!
ルドルフは絶対にみつかるわ!
………あ…」
その時、どこからか軽やかな鐘の音が響いた…
「タイムアウト!」
鐘の音と共に、私達の目の前に若い男が突然現れてそう一言呟いた。
「ぎゃっ!あ、あんた、い、一体どこから…」
「十回目の失態だな。
……それが何を意味するのか…わかってるよな!?」
「……はい。」
「じゃ、行こうか。」
男は私のことをすっかり無視して三太郎さんに話しかける。
そして、次の瞬間、二人の姿が目の前から消え失せた。
「へ…?
さ…三太郎さん…?
三太郎さん、どこ!?」
だけど、二人の姿はどこにもなく…
コケボールのいっぱい入ったバスケットだけを残して、三太郎さんは消え去ってしまった…