クリスマスのシンデレラ
*
「えーーっと………」
三太郎さんの話を聞き終えた私は、すっかりパニックになっていた。
だって、その話はとても信じられるものじゃなかったんだもの。
まず、三太郎さんはルドルフというとなかいを探しているって言った。
なんでも、そのとなかいは、元々は魔女が長年飼ってたとなかいで、なんと、魔法が使えるらしい。
と、いっても、人間に変身する魔法だけらしいのだけどね。
その上、そのとなかいは寒がりで、クリスマスのプレゼント配達が近くなると、いつも決まって逃げ出すんだそうだ。
三太郎さんは見習のサンタクロースで、となかいの世話も見習の仕事らしいんだけど、そのルドルフを十年続けて逃がしてしまって、今回みつからなかったら、なんでも大変なことになるらしい。
……って、こんな話、信じられる筈もなく…
でも、話してる三太郎さんの表情は真剣そのもので、嘘を吐いてるとはとても思えない…
その矛盾をどう理解すれば良いというのか…私はただただ戸惑うばかりだった。
「良いんですよ。
信じられないのは当然ですから。」
三太郎さんの口許に切ない笑みが浮かんだ。
「わ、私、なにも信じないなんて…」
「……良いんです。」
「わ…私…今の話はよくわからないけど…でも、三太郎さんのことは本当に信じてますから!」
つい力が入って大きな声になってしまったせいか、三太郎さんは驚いたような顔をして、そしてにっこりと微笑んだ。
「ありがとう、亜由美さん。」
「い…いえ……」
こんな優しい顔で微笑む人が悪人な筈がない!
(あ……)
「あの、三太郎さん…
ところで、どうして私を誘って下さったんですか?」
「あぁ…
実はルドルフは色白でぽっちゃりしたタイプの女性が大好きなんです。
それと、配達は嫌いですが、サンタクロースにはとても懐いてますから、赤い服に反応するんです。
それで、あなたの傍にいたら、もしかしたらルドルフを見付けられるんじゃないかって…」
「は…はぁ…」
そりゃそうだ…
そういう事情でもなけりゃ、こんなイケメンが私なんかと一緒にいたがる筈が無い。
がっかりはしたものの、これで十分納得出来た。
「えーーっと………」
三太郎さんの話を聞き終えた私は、すっかりパニックになっていた。
だって、その話はとても信じられるものじゃなかったんだもの。
まず、三太郎さんはルドルフというとなかいを探しているって言った。
なんでも、そのとなかいは、元々は魔女が長年飼ってたとなかいで、なんと、魔法が使えるらしい。
と、いっても、人間に変身する魔法だけらしいのだけどね。
その上、そのとなかいは寒がりで、クリスマスのプレゼント配達が近くなると、いつも決まって逃げ出すんだそうだ。
三太郎さんは見習のサンタクロースで、となかいの世話も見習の仕事らしいんだけど、そのルドルフを十年続けて逃がしてしまって、今回みつからなかったら、なんでも大変なことになるらしい。
……って、こんな話、信じられる筈もなく…
でも、話してる三太郎さんの表情は真剣そのもので、嘘を吐いてるとはとても思えない…
その矛盾をどう理解すれば良いというのか…私はただただ戸惑うばかりだった。
「良いんですよ。
信じられないのは当然ですから。」
三太郎さんの口許に切ない笑みが浮かんだ。
「わ、私、なにも信じないなんて…」
「……良いんです。」
「わ…私…今の話はよくわからないけど…でも、三太郎さんのことは本当に信じてますから!」
つい力が入って大きな声になってしまったせいか、三太郎さんは驚いたような顔をして、そしてにっこりと微笑んだ。
「ありがとう、亜由美さん。」
「い…いえ……」
こんな優しい顔で微笑む人が悪人な筈がない!
(あ……)
「あの、三太郎さん…
ところで、どうして私を誘って下さったんですか?」
「あぁ…
実はルドルフは色白でぽっちゃりしたタイプの女性が大好きなんです。
それと、配達は嫌いですが、サンタクロースにはとても懐いてますから、赤い服に反応するんです。
それで、あなたの傍にいたら、もしかしたらルドルフを見付けられるんじゃないかって…」
「は…はぁ…」
そりゃそうだ…
そういう事情でもなけりゃ、こんなイケメンが私なんかと一緒にいたがる筈が無い。
がっかりはしたものの、これで十分納得出来た。