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特別な妹

ライアンさんの話によると、父さんはその後警備隊に入りそこでもめきめきと腕を上げていったらしい。



「あのまま続けてたら、あいつの人生も違ったものになってただろうな…」

「父さんは、そんなにすごい剣士だったんですか…?」

「あぁ、ウィリアム様が別荘に出掛けた時、暴漢達に襲われたことがあってな。
それを撃退したのがリチャードなんだ。
まだあいつが十七か十八の頃だぞ。
そんな事があったから、国王もリチャードには目をかけていて下さったんだろうな。
いつか、また剣の道に戻ってくれると思われたのかもしれん。」



あの父さんが…
僕は大きなエプロンをかけて花の世話をするあの父さんしか知らない。
母さんの焼いたパイを食べて、子供みたいに嬉しそうな顔をする父さんしか知らない。
まさか、あの父さんが優秀な剣士だったなんてどう考えても信じられない。
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