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特別な妹





そんなわけで、アンリと僕達のちょっと奇妙な生活がスタートした。
アンリは十ニ歳だということだったけど、学校にも行かず、そのほとんどを家の中で過ごしていた。
見たところそんな風には思えないのだけど、なんでもアンリは身体が弱くて、ずっと学校には行かず、家庭教師に勉強を教えてもらってたらしい。
やっぱり、そんなお金、父さんに出せる筈がない。
きっと、アンリのお母さんはそれなりに高給取りだったんだろう。
女性がそんなにお金を稼げる所といったら、そうそう多くはない。
僕の頭の中に思い浮かんだのは、ちょっといかがわしい商売だった。
でも、そういう所で働く女性が父さんなんかの愛人になるだろうか?
そもそも、真面目な父さんがそんな場所へ行くとも思えない。
だったら、やっぱり僕が考えたのとは違う職業ということか…どういう職業があるだろう?
そうだ…!親の遺産か何かがあって働かなくても十分食べて行けたとか…
アンリの気品から考えてもきっとそうだ!
アンリのお母さんの両親は、きっと貴族で有り余る財産を残して死んだんじゃないだろうか?
いや、まだ死んでないかもしれない。
でも、死んでなきゃ父さんとそんな関係になることを許さないよなぁ…



詳しい事はわからないけど、父さん達がアンリの詳しい事情を話さないのは、話せないだけの深い事情があるからなんだ、きっと。
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