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特別な妹

その日を境に、アンリは少しずつ僕らとも打ち解けて接するようになった。
夕食後には待ちかねたようにしてトランプで遊ぶ。
アンリはかなり負けず嫌いな女の子のようだ。
しかも、なんでも覚えるのが早い。
母さんの話によると、僕らがいない時にもアンリは一人でトランプをしているらしい。

勝気だけど、その分、努力家で…人見知りはするけど、本当はとても無邪気で可愛いアンリ…

最初はやっぱり戸惑う気持ちが大きかったけど、最近は素直にアンリのことが可愛いと思えるようになって来た。
あと数年もしたら、アンリに言い寄る男達がいっぱい出てくることだろう。
おかしな奴にひっかからないように、僕が守ってやらなきゃ!



(僕にこんなきれいな妹がいるって知ったら、きっとみんな驚くだろうなぁ…)



驚くだけじゃない。
きっと、みんな羨ましがるだろうし、アンリと友達になりたがるだろうな。
そうだ、マイケルの妹も確かアンリと同い年だ。
あの子は読書好きって言ってたし、おとなしそうだから、アンリと気が合うかもしれない。



(アンリもこんな風に家にばかりいるのは可哀想だな。
母さん達はアンリのことを想ってそうしてるんだろうけど…無理をさせない程度ならきっと大丈夫だ。
少し運動をさせた方が却って良いかもしれない。
そうだ…!
明日、アンリを森まで連れて行ってやろう!
あそこならそれほど遠くもないし、気分も良くなる筈だ!)



僕はそんな計画を胸に、わくわくしながら眠りに就いた。
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