書類配りⅢ
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「雅君、本当は知ってたんだね。彼女が捕まった理由。」
「すみません…」
「別に責めてないよ。君達も大変だったろう。今までよく頑張ったね」
労わるような言葉に雅は笑んで軽く頭を下げた。
「じゃあ梨央、僕はそろそろ仕事に戻るよ。浮竹隊長、薬飲み忘れないで下さいね」
「ああ」
「ありがとう雅。」
笑んだ雅は立ち上がる。
「それじゃあボクも戻ろうかね〜。そろそろ仕事しないと七緒ちゃんに叱られちゃう」
「隊長は一度どこかで休まれてから戻ってください」
「え?何で?」
「…お酒の臭いがするからですよ」
ゴゴゴ…ッという音を立てる螢に苦笑を浮かべた京楽は目を逸らす。
「仕事中に飲酒はするなと何度申し上げれば解って頂けるのです。しかもこんな酒瓶まで持って来て…浮竹隊長のお身体に障ったらどうするのですか」
「あれー?さっきまでの感動シーンはどこに…」
「それとこれとは話が別です」
「以後気をつけます…。」
螢に叱られ、ズーン…と肩を落として落胆する京楽はとぼとぼと帰る。それに続いて雅も頭を下げ、螢に向けて手を挙げると笑みを浮かべ、隊首室を出て行った。
「さて…お前とこうして二人きりで話すのは久しぶりだな」
「そうですね」
「どうだ。外に出られた気分は?」
「光のある場所に戻って来られて安心しました。こうしてまた青空を見ることができた」
隊首室の窓から見える空は今日も晴天だ。
「ですが昔より賑やかさは減りましたね」
「あの頃は騒がしかったからな」
その時の事を思い出し、浮竹は苦笑した。
「そういえば…少し痩せたんじゃないか?」
「えぇ。あんな場所での食事は喉を通らないですから。総隊長にも心配されました。でも今は甘いものが食べられるので嬉しいです」
「相変わらず甘党なのは変わってないな。だが糖分を摂り過ぎると身体に悪いからな。虫歯にならないように気をつけろよ」
「隊長はお父さんですか」
「はは、確かに」
浮竹は可笑しそうに笑う。
「薬も忘れずに飲んでますか?」
「心配ない」
「良かったです」
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