書類配りⅢ
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「(昔と変わらないな。その優しさは…)」
フッと小さな笑みを溢し、二人を見た。
「僕は…いいえ、“私”は…」
「「!!」」
「百年前のあの日、救えるはずの命を見殺しにしてしまいました。犯人の罠にまんまと嵌ったせいで助ける事が出来なかった」
「「……………」」
「私がもっと早く、これが仕掛けられた罠だと気付けていれば…もしかしたら今でも彼らは死神として此処にいたかも知れない。でも…それを奪ったのは私です」
悔しさが込み上げ、拳を握り締める。
「私が間に合わなかったから…彼らは実験の道具として利用され、死神としての道を歩む事はできなくなってしまった」
語る度に胸が締め付けられる
あの人達の命を救えなかったのは
私が無力だったからだ
「そして私はその犯人によって濡れ衣を着せられました。“例の実験”を計画し、実行し、8名の隊長格達の命を奪ったのは“私”だと告発され…四十六室の査問に呼ばれました」
「……………」
覇気の込もらない声色で静かに語る螢を悲しそうな顔で雅は聞いている。
「さすがの私も意味が解らず否定しました。“何かの間違い”だと。“私ではない”と。けど…あの連中は一方的に私を犯人だと決めつけた」
浮竹と京楽は驚いた顔を浮かべている。
「絶対に認めてやるもんか。そう…思っていたのですが…気付いたんです」
「「……………」」
「“あの人達の命を救えなかったのは私のせいだ”。だからせめてもの罪滅ぼしになればいいと思い…自ら罪を認めました」
螢の話を聞いているうちに二人は“一つの確信”に辿り着く。
「分かっていたんです。ここで私が罪を認めてしまえば、私は有罪判決を受け、仲間を引き離してしまう。それでも…彼らの生きた証を守りたかった」
ギュッと目を瞑る。
「私の身勝手な判断で周りに迷惑を掛けた。仲間が零番隊の解散に納得いかないのも分かっていました。それでも私の意思は変わらなかったんです」
そして両手を床に付け、頭を下げた。
「ご心配をおかけして申し訳ありませんでした…!!」
「「……………」」
二人は顔を見合わせて相槌を打った。
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