書類配りⅢ
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「けーくんと剣ちゃんの真剣勝負!?わーい!すっごく楽しみだね!あたしも二人の戦いちゃーんと見届けるからね!」
やちるはぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「今日は書類を届けに来ました」
更木に書類を渡し、辺りを見回す。
「高峰十二席はどちらに?」
「あっくんなら稽古場だよ!今日の相手はつるりんとゆみちーの二人掛かり!」
「(本気でぶっ倒してなきゃいいけど…)」
螢が苦笑すれば、やちるが何かに気づいたように声のトーンを下げて言う。
「頬、痣になってる…」
「!」
「痛い?」
「平気です。こう見えて我慢強いんです。流石に殴られれば痛いですが…多少は堪えれます」
「本当?」
「はい」
「気をつけてね!」
「ありがとうございます」
相変わらず優しいな…
「やちる先輩は僕を疑わないんですか?」
「けーくんを疑うはずないよ!だってあたしけーくん好きだもん!」
「僕もやちる先輩が好きですよ」
にこりと笑んで見せる。
「十一番隊は味方だからね!」
「それは心強いです」
「でもツラくない?」
その質問にキョトンとしたが、すぐに笑みを浮かべて言った。
「あー…実は結構楽しんでます。面白くていつも以上にニヤケが止まらないんですよね」
「相変わらずイカれてやがるな」
「はは……」
「そこがけーくんの良いところだよ!」
「(褒めた…んだよね?)」
「昔と変わらずテメェの悪癖は今も健在ってワケか。つーか…みっともねぇツラだな」
「容赦なく殴られましたからね」
「イケメンが台無しじゃねぇか」
「全くです。美形の顔に何すんだって話ですよ。眼鏡だって吹っ飛ばされるし」
「少しは否定しろよ…」
「だってホラ、男装も似合ってますけど元の姿も超絶可愛いじゃないですか。殴られる理由どこにも無くないですか?」
胸に手を添え、本気とも取れる顔と言葉に更木は呆れて溜息を吐いた。その横でやちるがニコニコと笑っている。
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