書類配りⅡ
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「ぐっ」
「た、立っていられない…!」
上から押し潰されるかのような強い霊圧に立っていることさえ出来なくなった隊士達は床に伏せるように倒れる。
「二度は言わぬと申した筈だ」
「(まずい!!詩調の次は彼か!?)」
息苦しさに顔をしかめる隊士達は恐怖で身体が小刻みに震えている。副官である恋次は冷や汗を浮かべているものの、かろうじて立っている状態だった。
「隊長だって知ってますよね?あの日…桃香がこいつに何されたのか…。それなのに…こいつには何も償わせない…つもりっスか…?」
「……………」
目を閉じたまま、恋次の問いかけにも答えず、白哉は無言を突き通す。
「隊長は悔しくないんスか!?同じ死神として…同じ隊士として…しかも女に危害を加えるような奴を…許せるんですか!?」
「次は容赦せぬ」
自分の話が理解してもらえず、恋次は悔しそうに顔をしかめたものの、ついに白哉の霊圧に堪えられず、膝をついてしまう。
「くそ…何でこんなヤローに…」
恋次は恨みのこもった声を螢に向ける。
「……………」
恋次を一瞥した後、螢は霊圧を上げ続ける白哉を見遣って言った。
「朽木隊長。そろそろ霊圧を抑えて下さい。貴方の部下達が辛そうです」
白哉はジッと螢を見る。
「それと書類を届けに来ました。至急目を通して頂けますか?」
「……………」
白哉は少しずつ霊圧を弱める。
それを感じた螢はホッと安堵の息を零す。こんな所で正体がバレるわけにはいかない。そうなれば全てが水の泡だ。何としても無事にやり遂げなければ。
「……………」
再び静かに瞼を閉じた白哉は、踵を返すと無言で執務室に入って行った。
「(この程度の霊圧に堪えられないとは…)」
憐れみの眼差しを恋次に向け、吹き飛んだ眼鏡を拾い上げると、しっかりとした足取りで白哉の後を追い、執務室に入った。
「大丈夫ですか?阿散井副隊長…」
「……………」
「あの…副隊長?」
「何であいつ…隊長の霊圧を直に受けて平然と立ってられんだよ…」
執務室の扉を見つめながら恋次は驚いた顔を浮かべていた。
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