書類配りⅡ
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「隊舎内での抜刀はルール違反?そんなの知らないわよ。護廷が決めた規則なんてあたしには関係ないわ」
「か、関係ないって…」
「一色!オマエ自分が今何をしてるのか分かっててやってんのか!?」
「当たり前でしょ。あんた達と同じ脳は持ち合わせてないのよ。それよりも…ねぇ…聞こえなかった?聞こえたわよね?だってこんな至近距離で話してるんだもの」
「い、一色…」
「この首、斬り落とされたくなかったら…今すぐその人から離れなさい」
本気ともとれる声色に全員の顔に緊張が走る。隊士達は冷静になるように詩調を説得するが、当の本人は落ち着いていると言ったまま、男から離れようとはしない。
「それともあんた…死にたいの?お望みならすぐにでも首と胴を切り離して、あの世に送ってあげるわ」
「こ…こんなことしてタダで済むと思って…」
「ふっ…ふふふ」
歪んだ笑みを浮かべて可笑しそうに笑う。その不気味な聲に、隊士達はぞくりと身体を震わせた。
「この忌々しい場所を血で染めるのも悪くないわねェ…?」
「……………」
「早くその薄汚い手を離しなさい!!」
次第に苛立ちが増して口調が強くなる。そんな詩調の気迫に完全に怯えている男は手を離したくても恐怖で体が動けず離せないでいた。
初めてだった。彼女が五番隊に配属されてこんなにも激しい怒りを露わにしたのは。
普段の詩調は人との付き合いを拒み、ツンケンした態度で接していた。そんな彼女に好意を寄せた者がいても、人嫌いな詩調に不用意に近づく事は避けていた。
「(まずいな…。完全にキレて我を失っている。霙と言い、約束を守れなかったか…)」
とにかく
制御装置が壊れる前に
彼女を落ち着かせなければ
「一色十二席」
呼びかけるが詩調からの返事はない。
やっぱり"神崎螢"の声じゃ
届かないか…
「!」
男の肩越しから詩調を見ると、星のように綺麗な金の瞳は輝きを失っている。
「詩……」
鞘から刀を引き抜こうとする詩調の名前を呼ぼうとした時だった。
「こっちから強い霊圧を感じて見に来てみればこれは何の騒ぎだい?」
その男は悠然と現れた。
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