セカイ ト ヤクメ
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ザワ…ッ
「チャド…!?」
「(霊圧が…消失した。)」
ぐっと顔をしかめる。
「!」
すると茶渡とは別の霊圧を近くで感じた。
「いっちー」
「どうした?」
「少し別行動でもいい?」
「はぁ!?オマエ何言って…」
「お願い」
「!」
「必ず追いかけるから」
「…わかった。絶対に追って来いよ」
深くは聞かず、地を蹴って速度を上げた一護の背中を見送る。
「さて…この辺だな」
肘を伸ばし、開いた掌を壁に向ける。
「破道ノ六十三『双蓮蒼火遂』」
掌から放たれた蒼い光が壁に大穴を空けた。その穴を通って霊圧を探る。
「こんなところで何をしている」
「気配を消すのに慣れてるんだな」
"名も亡き人形"
黒マントで全身を覆った人物だ。
「何をしているのかと聞いている」
「キミの霊圧を感知したから追ってきた」
「何故追う」
「キミに興味があるから」
名も亡き人形は気分を害し、嫌悪の眼差しを差し向ける。
「そう邪険にしないでよ」
「お前は何故他人の為にそこまで必死になれる」
「友達だからだよ」
「友達?」
「私は友愛主義者だからね。友達を愛しているから、友達の為に必死になるんだ。織姫ちゃんは私の大事な友達。だから此処まで助けに来た」
「井上織姫は自らの足で藍染惣右介の許に向かった。彼女はお前達を裏切った。それでもお前はあの女を助けるのか?」
「違うな。彼女は奴の許に行かなければならない理由があった。それは裏切りじゃない。織姫ちゃんは私達を守る為に自らの足で藍染の許に行ったんだ」
「…お前達を守る為?何故そう断言できる」
「井上織姫という少女はそういう子だからさ」
「………………」
「彼女は優しい。真っ白で、何色にも染まってなくて…誰かの幸せを願える人間だ」
「何色にも染まってないか…」
名も亡き人形は、ふっと小馬鹿にした笑いを漏らした。
「お前はどうなんだ」
「…どういう意味?」
「お前は何色に染まっている?」
「!」
「真っ白…ではなさそうだがな」
梨央は冷めた目で名も亡き人形を見る。
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