オリヒメ ト ユウカイ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
完全に閉ざされた穿界門を見て一護は顔をしかめる。その場には今、梨央と一護しかおらず、先程よりも空気が重たく感じる。
「彼女の命を何だと思ってんだ…」
眉を下げ、悲しげに瞳を揺らす。怒りと悔しさから握り締めた手が震える。
「(きっと“コレ”が、正解だ──。)」
拳を解き、一護の側に歩み寄り、しゃがみ込む。顔を上げた一護が不思議そうに見る。
「梨央…?」
「(だから私は、『選択』する。)」
微笑み、その『選択』を告げた。
「ねぇ、いっちー。
織姫ちゃんを助けに行こう」
「!」
「(そう…コレが『正解』。この選択が…彼女の命を救えるはずだ。)」
「行くって…どうやって?」
「私は、
一護は驚いた顔を浮かべた。
◇◆◇
その日の夜───。
「しばらく夜遊びに出掛けるよ」
《夜遊びねぇ…。》
「塔の中にお姫様が囚われてるんだ。
王子様と一緒に助けに行って来る」
《…その女、生きてるのか?》
「珍しい」
《何が。》
「キミがそんなこと言うなんて」
《…もし、生存率がゼロに等しければ棺桶で戻ってくる可能性だってある。》
「棺桶って…」
《そうなったらお前、泣くだろ?》
「泣かないよ」
《でも何も出来なかった自分を責めて、泣くだろ?》
「!」
《無力な自分を許せないお前は、心が壊れて、精神的にダメになって…泣くだろ?》
《俺はな、梨央。あの時みたいに全てが壊れたお前を見たくねえんだよ。》
「蒼生くん…」
《だからその女が死んじまってたらお前は…また、あの時みたいに───》
「大丈夫だよ」
《!》
「彼女は生きてる。私はそう信じてる。それにね蒼生くん。私はもう、あの頃みたいにただ泣いて壊れただけの子供じゃない。今度こそ助けてみせる。目の前で誰かを失うのはもう…いやだからね」
《…………………》
「彼らならきっと運命に抗ってくれる。織姫ちゃんは必ず取り戻す」
.