キケン ト オアソビ
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《聞こえるか仁科、空座町東部に"
「二体…その程度の数なら倒せそうですね」
《初っ端から本気出してうっかり"やり過ぎるな"よ?》
「雑魚相手に本気なんか出しませんよ。てゆーか阿近さん、兄と同じこと言うのやめてください」
《お前、戦闘に"ハマり過ぎる"と容赦ねえだろうが。何の為の制御装置だと思ってる。それ壊したらもう作んねえからな。》
「そんな阿近さん!酷いです!」
《ならもっと"やり過ぎない程度"に戦え。》
「無茶言わないでくださいよぉ〜」
青蝶から聞こえる阿近の声に溜息を吐く。梨央はうんざりした顔で阿近の説教を半分聞き流していた。
「私だってそこまで鬼じゃありません。最初から本気を出してうっかり殺すなんて真似、するわけないじゃないですか」
《程々にしとけ。》
「!」
《お前の中の鎖が切れたら元も子もねえんだぞ。それで何度高峰からこっ酷く叱られてんだ。》
「彼は少し過保護なんですよ」
《お前が無茶ばかりするから過保護にもなるんだろ。》
「……………」
自覚がある為、阿近の言葉に何も言えない。
《それと…自分で自分を壊そうとするのはやめろ。》
「!」
《自覚、あるだろ?》
「…初知り、です」
《嘘つくな。一応これでもお前との付き合いは長いんだ。お前が自分を犠牲にして生きてることくらい、俺でも分かる。》
「……………」
《大切なんだろ。仲間が。兄貴が。》
「はい…」
《だったら"正しく生きろ"。自分の大事なもん、自分で壊そうとするな。》
「(正しく生きる、か…。)」
眉を下げ、自嘲気味に笑う。
《…悪いな、説教みたいになっちまって。》
「いいえ、肝に命じておきます」
ぐん、と速度を上げ、目的地に到着する。
「!」
《どうした?着いたか?》
「…阿近さん、全て片付いたら連絡します」
《…………、…そうか、分かった。》
その声色から素早く状況を察した阿近は、何も聞かず、通信を切った。
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