ヒャクネン ト サイカイ
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「ごめんね。私が悪かった。
だから…そんな顔しないで?」
画面の向こう側にいる彼は、とても悲しそうな、泣きそうな顔をしていた。
《頼むから…そんな残酷なこと言うな。》
「うん。ごめんね。」
《お前がいなくなったら俺は…》
「蒼生くん、ごめんってば」
《…でも、守る。》
《あの時みたいに…お前が壊れるのは見たくねえ。》
「蒼生くん…」
《お前まで俺の前から消えたら…この世界での俺の生きる意味はなくなる。》
「……………」
《ま、そうならない為に俺がいるんだけどな。》
蒼生は切なげに笑んだ。
「私も守るよ。キミが独りにならないように。キミが笑って暮らせる世界を守るために」
《お前は妹なんだから俺に守られてろよ。》
「やだ。私も蒼生くんを守るの。」
《絶対にお前より多くお前を守ってやる。》
「絶対にキミより多くキミを守ってやる」
両者一歩も引かない言い合い。そのうち何だか可笑しくなってしまい、二人は同時に笑い出す。
《負けず嫌い。》
「蒼生くんだって」
クスクスと笑う梨央を見て蒼生は嬉しそうに笑みを浮かべる。
《お前はそうやってずっと笑ってろ。》
「どうしたの?」
《俺はお前の笑顔が好きだ。》
「わぁーお兄ちゃんがデレたー」
《茶化すな。》
軽く叱られ、“はーい”と返事をする。
《お前を傷付ける奴は俺が許さない。お前を泣かせる奴もだ。俺はお前の笑顔を守る為だったらどんなことでもする。》
「ありがとう、蒼生くん」
梨央は嬉しそうに微笑んだ。
「キミがいれば私は無敵。だからどんな敵が相手でも怖くないよ」
《俺もだ。》
《お前がいれば何も怖くねぇ。》
「最後まで抗おう、世界にさ」
《そうだな。》
「私にはキミがいてくれる」
ニコリと笑んだその時…。
ドン!!
「!?」
突然、強烈な霊圧が体にのしかかる。
《おい?どうした?》
なんだこの霊圧は…!?
「ごめん蒼生くん緊急事態だ!!切る!!」
蒼生との通話を終わらせ、異変に気付いた梨央は慌てて外に飛び出した。
next…
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