ヒャクネン ト サイカイ
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その頃、借りたマンションに帰路した梨央は小型通信装置を使い、平子との再会や
《そうか、会ったんだな。》
《全員無事だったか。》
「私も驚いたよ。浦原が『例のモノ』を使って彼らを救おうとしたが失敗した。だから何らかの後遺症が残ると思ったんだが…その心配は無駄だったってことだ」
《変わったのは虚の力を得た事か。》
「ともあれ、元気そうで良かった」
《任務の方は?》
「順調だよ。でも新たな敵が現れた。簡単に倒せたけど油断は禁物だ」
《その虚…『
「うん」
《死神の力を手に入れようとする一団ね…。》
「この先、何が待ち受けてるか予測不可能だ。ヘマをして総隊長の手を煩わせるのも申し訳ないし…覚悟して挑むよ」
《これは俺の勘だが…厄介な事件が起きそうな気がする。》
「キミの勘は当たるからな。
でも厄介な事件か…ふふっ」
《おい、顔が楽しそうに笑ってんぞ。》
「ごめんごめん。ちょっとどんな事件が起こるのか期待してるだけ」
《事件に期待もクソもあるか。ったく…お前は何でそう…遊び感覚なんだよ。少しは危機感ってものをだな…》
「お兄ちゃんは心配性だな〜」
《お兄ちゃん言うな。マイペース妹が。》
「戦う時は真剣にやるって。これでも零の名を背負ってるからね。敵に命乞いをされても手加減する気はない。戦いに手を抜くのは相手にも失礼だからな」
《いつも言うが…》
「“やり過ぎるな”でしょ?判ってる…ちゃんと自我を保つ。そうじゃなきゃ…闇に呑まれて自分を見失っちゃうからね」
《解ってんならいい…。》
「それに派手に暴れて査問に掛けられると嫌だしね〜」
《マジで頼むぞ。四十六室の機嫌を損ねれば今度こそ本当にどうなるか分からねえんだからな。》
「あっはっは」
《笑い事じゃねえ。》
「ねぇ蒼生くん、もし…私がいなくなったら…寂しい?」
《寂しいとかじゃなくて…》
「じゃあ泣いちゃう?」
《泣くわけねーだろ。》
「わかってるよ〜」
《きっと心が壊れて、涙すら出ねえよ。》
「!」
《お前がいない世界なんて考えたくない。》
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