悪夢のはじまり
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険しい表情で日番谷を見る螢と、こちらも険しい表情で螢を見る日番谷。二人は互いから視線を外さず、ただ言葉を交わさぬまま、口を閉ざしている。
そして、その沈黙を先に破ったのは…
「神崎」
どこか呆れた表情を浮かべる日番谷だった。
「…頼むから、本当のことを言ってくれ」
「なるほど…隊長は疑ってるんですね。僕が殺意を抱いて冴島四席を刺したと…そう思ってるんですね」
拒絶する日番谷の言葉と対応に、螢はスッ…と冷たい色を瞳に宿す。彼女の綺麗な青の瞳が一段と深まった気がした。
「お前は護廷に入隊してまだ日が浅い。もちろんお前の評判は知ってる。総隊長からのお墨付きだからな」
「……………」
「だが…いくら優秀なお前でも入ったばかりの新人を信じろと言われても無理がある」
日番谷は淡々とした口調で告げるも、その言葉の奥に苦しさが残っていた。彼も、同じ死神として生きることを選んだ螢を疑いたくはないのだろう。けれど…今回の事件で彼という存在を信じられなくなった。
「お前は冴島が嫌いか?」
「好きになる理由がありませんね」
「なら殺したいと思ったことは?」
「…隊長、僕は回りくどい言い方が嫌いなんです。遠慮せずに聞けば良いじゃないですか」
「じゃあ遠慮せずに聞く。フラれた腹いせに強姦し、ナイフで刺したんじゃないのか?」
「違います。僕が彼女をフッたんです。強姦なんてしてないし、ナイフで刺したのは故意ではありません。そう何度も説明したじゃないですか」
何度弁解しても、日番谷は険しい表情を変えず、疑惑の眼差しで螢を見ている。
「あいつは気が利くし、周りへの気遣いが出来る器用な奴だ。与えられた仕事にも文句を言わず、真面目に取り組む」
「(その仕事もどうせ色目を使って誰かに押し付けたんだろ。ぶりっ子が得意だからな。)」
「隊士達からの信頼も厚い。そんな奴が自作自演をしたとは…俺には思えない」
「…そうですか」
その声色はとても低かった。
「(…あぁダメだ。)」
螢は失望した。
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