ヒャクネン ト サイカイ
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学校を終えた梨央は真っ直ぐ家には帰らず、旧友が経営している雑貨屋の前にいた。
「雑貨屋の店主をしていると手紙には書いてあったが本当だったとは…」
立て付けの悪い戸を引いて中に入ると二つ結びの少女が箒を持って地面を掃いている。
「(子供…?)」
「どちら様ですか…?」
「あー…キミは?」
「紬屋雨。ウルルって呼んでください。喜助さんの…お店のお手伝いをしています…」
「その店主はどこにいる?」
「喜助さんは…留守です…」
「じゃあ握菱鉄裁は?」
「テッサイさんも…留守です…」
「そうか…」
「上がってお待ちください…」
「いや、出直すよ。掃除の邪魔をして済まなかった。私は仁科梨央。名前さえ伝えてくれれば分かるから」
「はい…」
踵を返し、雑貨屋を出て行った。
◇◆◇
その夜、死神化した梨央は虚の気配を察知して電柱の上に立っていた。
「死神だな?」
「やっとお出ましか」
待ちくたびれたように息を吐き、後ろを振り返る。
「もう少し遅ければ“霊圧で釣っていた”よ」
「お前の霊力はご馳走だなァ。さっきから美味そうな匂いがして我慢ができねえ。こんな霊圧の持ち主、見たことがないな」
不気味に笑う虚に何か異変を感じた。
「…おかしい」
「何がだ?」
「キミは今、空間を裂いて現れた。そして向こうから別の虚の気配と二つの霊圧。一つは石田雨竜のもの。もう一つは黒崎一護の身体に入った改造魂魄のものだ」
「さすが隊長だな。そこまで解るのか。いや…お前の勘が良すぎるのか」
「二人が遭遇した虚も同じく空間を裂いて現世に現れた。そうだろ…『
図星なのか、
「驚いたなァ。
「仮面を外して死神の力を手に入れようとする虚の一団だ」
「ふはは!小娘の癖に物知りだな!」
「これでも知識はあるからな」
「ならば受けてみろ、この剣を」
「へぇ…随分と大きな刀だな」
平然と言い、梨央も背中にある鞘から刀を引き抜く。
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