ゲンセ ト カンチガイ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次の日───。
「まだ夜明け前だもんな…」
「これからお日様が顔を出すよ!」
「朝でも元気だなお前」
「まあね!!」
「うるせえ…」
声を張って叫んだ霙に蒼生は両手で耳を押さえる。
「いつもは遅刻して来るのに…」
「琉生は馬鹿にしてるのかな」
「怖ッ!?」
ニコリと黒い笑みで笑いかける。
「どこが怖いんだよ」
「その顔と声っスよ!寝起きで不機嫌MAXなオーラがさっきからダダ漏れてんスよ…!」
「琉生、ちょっと目潰しさせて」
「ぎゃあー!雅クーン!!」
悲鳴を上げながら琉生は雅の後ろに隠れる。その目には涙が浮かんでいる。
「琉生君、少し声を抑えて。梨央も機嫌悪いからって冗談言わないで」
「(ぜってぇ冗談で言ってない…!!)」
「チッ。」
「舌打ちした今!本気でオレに目潰しする気だったっスよ!!」
「してやれば良かったのに」
「詩調チャンまで!!」
ギュッ
すると誰かに腰に抱きつかれて振り返れば、顔を背中に埋めた霙がいる。
「どうしたの?」
「寂しい…」
「少しの辛抱だよ」
「…………」
「虚共が無関係の人間を襲う前に退治しなきゃ多くの犠牲者が出る。命を落としたら誰かが悲しむ。私達の仕事は虚を退治すること。そうだろ?」
背中に埋めていた顔をバッと上げ、泣きそうな眼で梨央を見る。
「今度はちゃんと帰って来るよね?」
「!」
「あの時みたいに…突然いなくなったりしないよね?」
「もちろん」
小さく笑んでハッキリと告げる。
「信じてるからね!」
その言葉に安心して霙は梨央から離れた。
「そろそろ時間だわ」
「穿界門が開くぞ」
「頑張ってね!」
「お土産待ってるっス!」
「こっちのことは心配しないで」
「寝坊しちゃダメだよ〜」
「遅刻も駄目よ」
「すぐキレるのもダメっス」
「キミ達自分の隊長に対して厳しいな!!」
穿界門が開く。
「行ってくる」
「気をつけてな」
仲間に見送られ、梨央は地獄蝶を連れて穿界門を潜った。
next…