トモダチ ト ナカナオリ
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「私も色々騙してたしね」
続けてそう言えば、二人は戸惑うような、困ったような表情を浮かべる。
「お互いに許し合うのが一番の解決法だよ」
「でも…!」
「何か不満?」
「だって…そんなの都合が良すぎます…」
「俺達が許してもらえる立場じゃ…」
「そうだね。確かにキミ達は間違った道を進んだ。そして一方的に私を責め立てた」
「「っ………」」
「それでも許すよ」
「どうして…」
「だってキミ達は守ろうとしただけでしょ?」
「「!」」
冴島桃香を守りたかっただけ。
「ただ、その“守る方法”が間違っただけ。そしてキミ達はその間違いに気付いた。だから私にそんな顔をしているのでしょう?」
誰かを傷付けてしまった、罪悪感。取り返しのつかない事をしてしまった、罪悪感。二人の心は大きな罪悪感で押し潰されそうになっていた。
「でもまぁ…それでも自分のしたことが許せないって言うならさ…」
閉じたメニュー表をテーブルに置いて、二人に向けて手を差し出す。
「「?」」
その手を見下ろし、恋次と雛森は疑問を浮かべる。その手は何の為に差し出されたのか。その意味を理解する前に梨央が言った。
「私と友達になってよ」
「「!?」」
その提案に恋次と雛森は驚き、傍観していた乱菊と日番谷も二人と同じ表情を浮かべている。
「…友達?」
「名案だと思うんだけど」
「いや…え?本気で言ってます?」
「本気に決まってるでしょ」
「「……………」」
「こう見えて私は友達を大事にするタイプなんだ。だからキミ達が私にした全ての仕打ちは“友達同士の喧嘩だった”って云うことで許してあげる」
雛森は泣きそうになるのをグッと堪え、口をキツく結んでいる。恋次の眼にも微かに涙が浮かんでいるようにも思える。
「あたし達は最低なことをしたんですよ…。それなのに…許せるんですか?」
「許すよ。もちろん友達になってくれたら」
二人は差し出された手を無言で見つめる。
「私と友達になろう」
優しく笑んだ梨央の手を、涙ぐんだ表情で嬉しそうに笑い、自分の手と重ねた。
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