トモダチ ト ナカナオリ
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「だァから嫌いなんだよ…弱い奴はよ」
深い溜息を吐き捨て、何処からか出した剣を握り締め、ニヤリと笑んだ顔と共に後ろを振り向く。
「(くそ…選択を誤った!!
こいつ…まさかとは思ったが…)」
扉に向かって走る悠人の顔に焦りの色が見て窺える。そしてドアノブに手を掛けようとした、その時だった…。
ドスッ
突然襲った腹部の痛み。目を見開き、悠人は顔を下げ、視線を腹部へと落とす。
そこからあり得ない物が貫き出ている。
「ガハッ…!」
「お兄様!!?」
ドバッと血を吐き出せば地面に飛び散る。
「いやあああ!!」
悲鳴に近い声で叫ぶ桃香。悠人を刺した男は剣を引き抜く。その場に膝をついて崩れ落ちた悠人は腹部を押さえ、苦しげな表情で男を睨みつける。
「テ…テメェ…」
「まだ喋る余裕があんのか。もっと深くぶっ刺せば良かったか」
悠人の血で汚れた剣を払う。
「あんた何すんのよ!?」
「何って殺そうとしただけだ」
「ハァ!?」
「弱い奴が生きてても弱いままだろ?だから弱者は黙って強者に殺されろ」
「ふざけんじゃないわよ!!!」
「ふざけてねぇよ」
「此処から逃がしてくれるんじゃなかったの!?」
「逃すとは言ってねえ。俺は“助けてやる”って言ったんだぜ。そうすれば安心だろ?」
「あんた…まさかそういう意味で…」
男が悠人に言ったあの言葉の本当の意味を理解し、桃香は怒りで顔をしかめる。
「どうしてよ…アンタも護廷に恨みがあるんでしょ!?殺したいほど憎い奴がいるんでしょ!?アタシ達の目的は一致してる!!殺し合う理由はどこにも…」
「俺がいつ護廷に恨みがあるなんて言った?」
「え、だって…」
「“護廷の奴が憎い”なんて一言も言ってねぇよ。そいつが勝手に勘違いしただけだ。俺が殺したいほど憎い相手は…護廷にはいねえ」
「…………」
「俺には壊したいものがある。その目的を果たす為なら世界だって敵に回してやる」
男は剣を頭上高く持ち上げる。
「残念だったな。最初からお前らと協力する気なんかねえよ。だからさ…死んじまえ。」
ニヤリと歪んだ笑みを張り付けたまま、男は勢いよく剣を振り下ろした。
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