トモダチ ト ナカナオリ
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ガチャン
開錠された音がした。
「あ、開いた…!」
「脱獄成功だな」
「これでやっと自由よ!やっとあの女に復讐できる!」
「復讐?」
「そうよ、あの女…仁科梨央!あいつのせいで人生めちゃくちゃよ。あの女がいなきゃ全て上手くいってたのに…!」
「ふぅん…。お前にも憎い奴がいるのか。なァ…お前はそいつより強いのか?」
「……………」
そこで桃香は口を噤んでしまう。彼女はその身で経験しているからだ。数ヶ月前の特別隊首会の日。零番隊と護廷十三隊のあの勝負を。そして見せつけられてしまった。圧倒廷な力の強さを。特に梨央の並外れた戦闘能力は桃香でさえも捩じ伏せることが出来る。
そんな彼女を弱いとは言えなかった。
「強いとか弱いとか関係ないわ。アタシに恥を欠かせたあの女をひれ伏すことが出来たら最高でしょう?」
「…要するにお前弱いのか。その程度の強さでそいつに勝とうとしてんだな」
「何ですって!」
「おい、妹を馬鹿にすんじゃねーよ。テメェの話には興味がねぇ。とっとと此処から出るぞ」
悠人が立ち上がろうとする。
「まぁ待て。一つ質問させてくれ。
お前らは…強さって何だと思う?」
「何だよその質問…」
「難しく捉えるなよ」
男は意味深な言葉を放ち、ニヤリと笑う。
「“人は何の為に強さを欲するのか”。俺はな…自分の為に強さを欲した。弱者にならねぇ為には強者でいなきゃならねぇ。故に俺は今まで戦ってきた敵に一度も敗けたことがない」
不穏な空気が漂い始める。
「強さは暴力の化身だ。強さを手に入れる為に自分より強い相手を探して片っ端から斬り殺していく。それが俺の強さの証明だ」
その男の言葉を聞いていて、悠人は何故か背筋がぞくりと震えた。
「だからよォ…強い俺が弱いお前らを殺したとしても…それは許される事だよな?」
“だって俺が強いんだから”
喜悦を感じさせる狂った笑みを浮かべた男が悠人と桃香に恐怖を与える。
「っ、桃香!逃げるぞ!!」
「お兄様!?」
「コイツはダメだ!“狂ってやがる”!」
強引に桃香の手を掴み、男の横を逃げ去って行く二人。
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