暴かれた真実と罪の代償
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「お兄様が迎えに来ない…?」
「安心しろ。キミの兄も逝き先は同じだ。兄妹共々、犯した罪はその身を以って償ってもらう。覚悟したまえ」
パチンと指を鳴らすと黒装束を着た男二人が桃香を挟むような形で現れた。
「な、なんなのよコイツら…」
「彼らがキミを監獄まで連れてってくれる」
「え?」
「彼女を第零監獄に連行しろ」
頭を下げた男二人は桃香の両腕を拘束する。
「何すんのよ!?」
「冴島桃香様」
「ご同行願います」
「嫌よ!!絶対に行くもんですか!!」
「その命令は聞けません」
「第零監獄を管理してるのは梨央様です」
「はぁ!?そんなの知らないわよ!!ちょっと放してよ!!汚い手でアタシに触らないで!!」
「冴島悠人様は既に到着しております」
「!!」
「ですからご安心を」
「(そんな安心いらないわよ!!)」
身柄を確保された桃香はまだ逃れようと暴れる。
「往生際が悪いな」
桃香はキッと梨央を睨み付けた。
「絶対に許さない!!アンタなんか…地獄に落ちればいいのよ!!」
「言っただろう。地獄に落ちるのはキミだと」
「恨んでやる!!アンタさえいなければ全て上手くいってたのよ!!それを…全部めちゃくちゃにした罪は重いわよ!!」
「よかったな」
「!」
「誰かに恨まれて殺される前に、私に罪を暴かれてその身は守られたじゃないか。これで監獄にいる間は命の保証はしてやるよ」
「っ………!!」
何か言いたげにこちらを見ている桃香。その悔しそうな表情に張り付けた笑みを浮かべて桃香を見送った。
「一件落着だ」
「ということは…」
「終わったな」
「これで万事解決☆」
「一安心だね」
「まぁ…あの女の悔しそうな顔も見れたし、結果オーライよ」
霙はパチパチと拍手する。
だが残された隊士達は何が起きたのか全く理解できず、唖然としている者が多い。
「ではこれにて特別隊首会は終了とする!!
全員解散────!!」
山本の言葉で隊士達はぞろぞろと鍛錬場から出て行く。
「ようやく終わったのね」
詩愛は梨央に声をかける。
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