暴かれた真実と罪の代償
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「捨て駒だと?」
「そうよ。お兄様以外はみーんなアタシの捨て駒。アタシの為に生きて、アタシの為に死ぬ。どう?アタシの為に石ころ程度の価値しか無い命を捨てられるなんて嬉しいでしょう?」
「てめえ……っ!」
「アンタ達に好かれて吐き気がしたわ!アタシの本性を知ってガッカリした?ハッ、いい気味ね!」
そこにいるのは、まるで昔噺に出てきた“少女”だった。
隊士達は信じていた人に裏切られ、絶望する。
いや、中には彼女を愛した者もいたかもしれない。
だがそれは全て嘘だったのだ。
自分達が愛した桃香は、最初からどこにもいなかったのだ。
可憐で純粋で、優しくて可愛い桃香。
それは夢に囚われている間だけ見た、桃香の幻影だったのかも知れない。
本当の彼女は、人を傷付けても平気な顔で過ごし、罪の意識を感じず、悪事に手を染め続ける悪魔───。
当然、隊士達は絶望のどん底に突き落とされる。
桃香の本性がバレるその瞬間まで、彼女に好意を寄せていた隊士達の感情は、一瞬で消え去り、代わりに芽生えたのは…激しい怒り。
隊士達は怒りで顔をしかめ、桃香を睨みつける。桃香はそれを平然と跳ね除け、何の感情も宿さぬ眼で隊士達を見下す。
「このクソ女!!」
「よくも今までオレ達を騙してやがったな!!」
「アンタ達を見てると愚かで仕方なかった。扱い易いのも便利だけど従順過ぎるのも鬱陶しくて嫌気が差してたのよ」
「何だと!!」
「だって命令すれば犬のように忠順で嬉しそうに尻尾を振るんだもの。あまりにも素直に従うから骨でも買って来て与えてやろうかと思ったわ」
クスクスと馬鹿にしたように笑う桃香に隊士達の怒りは収まらず、悔しそうに顔をしかめている。
「悔しいならアタシを殺してみなさいよ。いくらアタシでも此処にいる全員を相手にするのは流石に無理だわ。でも…気をつけなさい」
桃香は冷たい眼を向ける。
「もしアタシを傷付けたら…その時はアンタ達の命がこの世から消える羽目になるわよ。そう…昔噺に出てきた“少女”の“友達”みたいにね」
くすりと笑って言えば、隊士達は恐怖した。
「あはは!いいわねその怯えきった顔!カメラに収めたいぐらい間抜け面だわ!」
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