暴かれた真実と罪の代償
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
昔噺を話し終える頃には、鍛錬場は凍りついたように冷たく、静まり返っていた。
少女の犯した罪を聞かされた隊士達は驚きのあまり言葉を失い、呆けた顔で唖然としている。
「少女は決して許されぬ罪を犯した。そして一番タチが悪いのは…少女に罪の意識が無いと言うこと。人の命を奪っておいて何の罪悪感も感じず、今でも能々と生きているという事だ」
梨央はギロリと桃香を睨む。するとびくりと身体を跳ねさせる桃香の顔色は真っ青だった。
「自分の犯した罪から逃げ、その悪癖は昔より更に悪化している。私は思う。彼女は罪を償い、罰せられるべきだ」
「!!」
「あのさ…ちなみに聞くけど…」
近くにいた隊士が恐る恐る聞いてくる。
「その少女って…どうなったんだ?」
ドクンッ
桃香の心臓が嫌な音を立てた。
「死神の試験には受かったのか?」
「あぁ、受かっている」
ザワッ
そう答えれば、一気にざわつき始める。
「てコトは……え?」
「もしかすると…今でも…いるってこと?」
「嘘!?その子がこの場にいるの!?」
「(まずい…まずいわ。)」
嫌な汗が流れる中、桃香は唇が冷たくなっていくのが分かる。
「(これじゃあまるで…)」
公開裁判───。
「教えてくれ!そいつは誰なんだ!」
「誰って…目の前にいるじゃないか」
「え?」
「キミ達がよぉく知る奴さ」
梨央は嫌な笑い方でニコリと笑んだ。
「なァ?───冴島桃香?」
大きく目を見開いた桃香。
「“やっと捕まえた”」
今までずっと罪から逃げ続けてきた桃香に対して放った言葉。梨央は懐から一枚の紙を取り出し、桃香の前に突きつける。
「これが何か分かるか?」
「何よ、それ…」
「キミを地獄に落とす為の鍵だよ」
無表情になった梨央は冷たい声で言う。
「十番隊第四席、冴島桃香。四十六室から緊急捕縛状が出ている」
そして内容を読み上げる。
「罪状は下記に書いてある通りだ。己の罪を頑なに認めず、尚も逃げ延びようとするその往生際の悪さ…実に不愉快極まりない。よって罪人を…緊急逮捕する。」
「!!?」
.