暴かれた真実と罪の代償
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「歳月が流れてもまだ私達の存在が記憶の片隅に残っていたんだな」
“良かった”────口許を緩めて笑んだ。
「でもあの里って…」
「無くなったんじゃなかった?」
「それは語弊があるな。“ちゃんとある”。探そうとしてもあの里は簡単には見つからないけどな」
そして静かに視線を桃香に戻す。
「キミのとこの噂も耳にしたよ」
「噂…?」
「そう…キミの噂だ。」
「!!」
サッと桃香の顔色が変わる。
「お、顔が強張ったな」
「何で……」
「やはりこの話題を振って正解だった」
「…知ってるの?」
「もちろん」
「そんなの嘘に決まってる」
「何故そう言い切れる?」
「だって“噂なんて無い”もの」
ニヤリと深い笑みを浮かべる桃香。
「無い噂をどうやって貴女が知るの?」
「簡単さ。どんなに過去の過ちを消そうが、うちの三席の手に掛かれば容易いことだ」
「!」
“余計な事を”とでも言いたげに桃香は鋭い視線を雅に投げた。その視線に気付きながらも雅は悠然とした面持ちで柔和な笑みを湛えている。
「例えばよ。仮にもし、“あたしの噂”が有るとして、それは一体、どんな噂なの?」
「それはキミが一番良く知っているだろ」
「だから何の噂だか分からないわよ」
「(シラを切るつもりか。)」
やはりどこか強気な笑みを張り付けている桃香。梨央はため息を吐いた。
「今から私がキミの罪を暴く」
「やってみなさいよ」
「…少し、昔噺に付き合ってもらおう」
「昔噺…?」
「これはある女性から聞いた真実。そして今から噺すのは“一人の少女”の物語。」
表情を消した梨央に、隊士達はごくりと喉を鳴らし、彼女の話を待つ。
「全てを聞き終えた時、きっと気付くはずだ。少女の罪が、どれほどの悪なのかを」
「!」
「そして識ることだろう。悪に染まった少女が辿り着く“終着地点”を。此処にいる全員が…識ることになる」
声のトーンを下げ、静かに語り始める梨央に桃香の表情が硬くなる。
「では始めよう。」
これは
悪に取り憑かれた
少女の噺である────。
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