暴かれた真実と罪の代償
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「キミ達の嫌がらせには流石の私も我慢の限界がきていたよ。でも手を出せば全てが水の泡だからな。そこは何とか持ちこたえた」
「……………」
「やっと言える。よくも私の仲間を傷つけたな。これには私も我慢の限界を超えたよ」
「ま、まさか…あの事件の犯人…お前だったのか…?」
梨央は眉を顰める。
「あんな手紙で倉庫におびき出して…俺達を襲ったの…」
「今はその話をする必要はない」
「本当に…神崎…なのか?」
「まだ信じられないなら七番隊・九番隊・十番隊以外の隊長達に聞いてみるといい。その人達は私の正体を最初から知っているからな」
「え!?」
隊士達は隊長格達を見た。全員が何も言わず、沈黙を保っている。その沈黙こそが真実だと悟った隊士達は驚きを隠せない。
「じゃあ…こいつが…」
「鳩が豆鉄砲を食ったような顔だな。揃いも揃って馬鹿面が映えて面白い」
ハッと鼻で笑い飛ばす。
「嘘だろ…俺達は男装したコイツをずっと…」
「そんな…」
愕然とする者や絶望する者。様々な表情を浮かべる隊士達を冷たい眼で見た後、桃香に視線を移す。
「この姿で会うのは初めてだな」
「誰よ…アンタ…」
「神崎螢だよ。キミ達のよく知る…ね。だが一応、自己紹介でもしておくか。“こっちの私”は身分が違うから知らないだろうし」
「身分?」
「はじめまして」
その瞬間、全ての空気が変わる。
「仁科家二十八代目当主」
梨央はニヤリと笑みを浮かべる。
「仁科梨央だ」
「(仁科家…?)」
「おい…仁科家って…もしかして三大貴族のか?」
「おや」
「三大貴族?」
「ほら、上級貴族よりも遥かに身分の高い貴族様だよ」
「え…あの五大貴族よりも?」
「うちの近所で誰かが言ってたの聞いた。千年前、上級貴族よりも遥かに上の“最高貴族”ってのがいたって」
「え!?そんな奴らがいたのか!?」
隊士達は顔を見合わせて驚愕した。
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