暴かれた真実と罪の代償
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「その人を連れて来てどうするつもり?体調が悪くて辞めたんだから無理は禁物だよぉ」
口許に人差し指を添え、とぼけたように首を傾げる桃香。
「あら、おかしなこと言うのね?」
詩愛の顔から一切の表情が消えた。
「貴女の取り巻き達があたしを痛めつけてくれたせいで四十六室の目に触れたのよ。だからあたしは護廷を辞めざるを得なかった」
「!」
「どこまでが計算だったの?」
「えー計算ってなんのことぉ?」
「最初から仕組んでたんでしょ?貴女はあたしの性格を利用した。虚討伐の件まで計算済みなら…恐ろしい女だわ」
「華月さんまで桃香をいじめるの…?」
「その顔…腹が立つわ」
鋭い眼で桃香を睨む詩愛。
「散々嫌がらせをしておいて、“自分は何も知りません”って顔が一番憎たらしいのよ」
「……………」
「貴女は卑怯だわ。嘘吐きで、汚くて、最低。人の心を踏み躙り、まるで人形のように弄ぶ。そして要らなくなったら捨てるんだわ」
「桃香を侮辱しないで…」
「これは侮辱じゃないわ。当たり前のことを言ってあげてるの。貴女の世界はもうじき壊れるわよ」
“彼女が壊してくれる”
詩愛はチラリと螢を見た。
「おいアイツって…」
「華月だろ?四番隊だった」
「何でこいつがいるんだ?」
「それに今の話…本当なのか?」
「桃香ちゃんが取り巻き達を使ってあいつを辞めさせたなんて嘘に決まってんだろ」
「あいつも神崎に唆されたんだ」
「どこまで卑怯なんだよあの野郎!」
「おい華月!お前もそいつに騙されてんだよ!」
「騙されてる?」
「そいつの事聞いてんだろ。桃香ちゃんを刺し殺そうとした奴だ!信じるな!」
「ですってよ、隊長さん?」
「信じる信じないは貴女の自由です」
「あぁ、やっぱり自分を信じて良かったわ。だって騙してるのは…そっちだもの」
詩愛の冷めた視線が、桃香に向く。
「はぁ?お前まで何言ってんだよ?」
「桃香ちゃんが俺達を騙すはずねーだろ」
「お前も桃香ちゃんをいじめるのか?」
「少し黙っててもらえるかしら」
強い口調で言えば隊士達はグッと口を噤んだ。
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