仕組まれた罠
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「少し夜風に当たりたかったので」
「こーんな空見てどうするのー?」
「星が綺麗なんです」
「ふぅん…」
「(何を拗ねて…あぁ、そうか。)」
螢は憐れむように笑う。そして桃香に視線を向け、にこりと笑んで言った。
「そのドレスもとても綺麗ですよ」
「!」
案の定、ドレスを褒められ、桃香は嬉しそうな表情を見せる。
「(分かりやすい女…)」
「もぉー螢君、気付くの遅いよぉ!こーんなに可愛らしいドレスを可愛い桃香が着てるんだからもっと早く褒めてくれなきゃ〜」
「(お世辞って気付けよ。)」
頬に手を当て身体を左右に揺らす桃香。そのドレスは自分に似合って当然だとでも言うかのように誇らしげな表情を浮かべている。
「真紅のドレスなんてちょっと派手かなって思ったんだけどみんな可愛いって言ってくれるのぉ❤︎」
「へぇ……」
「ね、可愛い?」
「はい」
「世界一?世界一可愛い?」
「……えぇ。」
「うふっ❤︎やっぱり桃香は可愛いんだぁ〜!自分でも分かってたけど❤︎」
「(どこまで自分大好きなんだよ。)」
「螢君の目にもキュートな桃香が映ってるなんてぇ〜❤︎ふふっ、桃香ってば罪な女♪」
「……………」
螢は憐れむ眼差しを向ける。
「ねぇ螢君…」
高い声から落ち着いたトーンに変わり、その声はぞっとする程に甘ったるい。
「こっちに来て」
桃香は螢の腕に自分の腕を絡ませると、誰にも見られない死角の場所まで誘導する。
「こんな所で…どうかしましたか?」
「このまま桃香と抜け出そ❤︎」
「(…意味が解らない。)」
「桃香…今日は螢君と朝までずっと一緒にいたいの」
絡めた腕のまま、桃香は螢の腕に頭を寄せ、いかにも寂しそうな声を出す。
「今日の主役がいなくなるのはダメですよ」
「大丈夫❤︎桃香がいなくてもパーティーは勝手に終わるんだし♪桃香は螢君といたい…ダメ?」
涙を潤ませ、上目遣いでこちらを見る桃香に螢は同情などせず、残念なものを見る目で桃香を見た。
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