太陽の木漏れ日
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「彼の存在が怖かったんだ」
「!」
「冴島桃香の兄は喧嘩に強くて、妹を守る為なら大人だって容赦しない。村人達は彼に逆らえない立場だったらしいよ」
「暴力で屈服させようとする卑怯なやり方だな。兄妹揃って救いようがないとは…」
「彼は言ったそうだよ。“俺の妹は何も悪くない”、“お前らは妹を悪者に仕立て上げようとする最低な連中だ”ってね」
「どこまで腐ってんだよ。最低を通り越してクズだな。それで…その兄のお陰で今まで何の罰も受けずに生きて来られたのか」
様々な悪事を働いた妹
その罪をもみ消した兄
歪んだ兄妹によって
大切な妹を殺された姉
「彼女は悔しかっただろうな。妹を殺したも同然の女に何の罰も与えられない自分が」
「……………」
悲しい顔で螢は小さな息を漏らす。
「僕の情報は役に立った?」
「もちろん」
「よかった」
「キミは頼りになる。零には欠かせない存在だな。本当に助かったよ」
雅は微笑む螢を見る。
「そういえば聞いたか。昨日、十番隊の隊士が重傷で四番隊に運ばれたらしい」
「そうなの?」
「そのことで問い詰められてた」
「その隊士って…鬼灯さんを暴行した人達なんだよね?」
「さぁ。そこまでは知らない。あぁ…霙のことも激しく責め立てられたな」
「……………」
「そんな顔しないで」
「!」
「キミが悔やむことじゃない」
「僕の仲間は強いね」
「そんなことない」
「ううん…僕からして見れば強いよ」
「キミだって強いだろ」
「僕?全然…僕なんて弱いままだよ」
「キミは優しい。それが強さだ」
「!」
「私はキミの優しさに何度も救われた」
「僕の…優しさが?」
「キミは物事を冷静に見極める能力がある。私達に的確な指示を与え、正確なアドバイスをくれる。だから私達は敵を倒すことができる」
「…買い被り過ぎだよ。僕なんか戦闘で大して役に立ってないし」
「キミは本当に自分を卑下し過ぎだな。もう少し自分に自信を持て。キミは私達が認める素晴らしい仲間なんだから」
「梨央…」
「ね?」
「ありがとう」
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