太陽の木漏れ日
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「(でも…何もできなかった…)」
守ることすら
大切な人の涙を止めることすら
あの頃の霙にはできなかった
だからこそ、後悔したくないのだ
「(もう二度と…悲しませたくない。)」
霙の脳裏に仲間の姿が浮かび上がる。
「(霙の…“大切なモノ”。
今度こそ…守るんだから──!!)」
その時、頭を撫でられたような温もりを感じ、ふと目線を上に向けた。
「っ───……」
光に包まれた女性が、優しい笑みを浮かべ、愛おしそうに霙の頭を撫でている。
その瞬間、霙は大きな涙の粒を溢した。
「あっ……」
驚いた霙が光に包まれた女性を見て口を開き、何かを喋ろうとした時…。
「「霙!!」」
弱まる霙の霊圧を追って、梨央と詩調が瞬歩で現れた。そして置かれた手の温もりが頭から離れると、その女性は最後に優しく笑み、光と共に消えてしまった。
「詩調…!!」
「わかってる!!」
詩調は急いで横たわる霙に駆け寄り、治療を始める。手を交差させるように霙の身体に翳せば、青い光が輝きを放つ。
「…梨央ちゃん」
「喋るな」
「ごめん…ね…」
「何でキミが謝る」
「…お昼…一緒に食べられなく…なっちゃった…せっかく…三人で行く約束…してたのに…」
「そんなのまた行けばいいじゃない」
「うん…でも…霙のせいで…約束…果たせなかった…ごめんね…」
「誰も霙のせいなんて思わないわ。
だから謝らないで頂戴」
「しぃちゃん…」
「むしろ謝るのは私達の方だ。キミを…危険な目に遭わせてしまった…申し訳ない」
「あたしも…もっと早くに気付くべきだった。ごめんなさいね…霙。」
「二人は…悪くないよ…。危機感が足りなかった…霙のせい…。二人に…迷惑かけちゃった…」
「違う。私がもっと配慮すべきだったんだ。キミ達のことを…守ってあげるべきだった」
「梨央ちゃんとの約束…守ろうと思ったの。迷惑にならないように…頑張って霊圧を抑え込もうとしたの…でも…意識が定まらなくて…上手くコントロールできなかった…」
「……………」
梨央は霙の頭を撫でる。
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