太陽の木漏れ日
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男達が去った後、倉庫にはボロボロに痛めつけられた霙が地面に横たわっていた。
「……………」
殴られた箇所は青い痣が浮かび、彼女の翡翠の瞳は透明度を失い、虚ろな目を宿している。
「(痛い…息が、苦しい…)」
玩具のように扱われた身体は嬲られ、腕や足は骨が折れており、少し動かすだけでも激痛が伴った。
「ハッ……」
加えて満足に呼吸が出来ず、浅い呼吸ばかりを繰り返す霙は息を吸う度に痛みで顔を歪める。
「ハァ…ハッ…ハァハァ…」
痛い 痛くて…死にそう
身体を痛めつけられるのって
こんなに痛いんだ
骨だって何本も折れてるし
呼吸だってマトモにできない
こんな地獄のような時間を
梨央ちゃんはいつも堪えてるの…?
「ハァー…ハァー…」
霙はほんの少し身体を動かそうとする。
ズキッ!
「うっ…!」
全身に激痛が襲う。
「ハァ…い、たっ…」
視界が霞む
助けは呼べない
梨央ちゃんの邪魔になる
一人で…何とかしなくちゃ
「(でも…どうやって?)」
身体も動かせないのに
呼吸すらままならないのに
一人でどうにかできるの…?
「(霙の身体…動かない…)」
指先すら動かない
ただ出来ることは…
みんなの邪魔にならないように
乱れる霊圧を抑え込むくらいだ
「(早く…抑えないと…気づいちゃう。)」
霙はどうにかして乱れる霊圧を抑え込もうとするが意識が朦朧として上手くコントロール出来ない。
「ハッ…ハァ…ッ」
すると翡翠の瞳から一粒の涙が溢れた。
「(お願い…動いて…)」
浅い呼吸を繰り返す霙は涙を流したまま、動かない身体を必死に動かそうと試みる。
「(やだ…やだよ…動いてよ。)」
霙の身体は頑丈なんだから
ちょっとやそっとじゃ
壊れたりしないんだから
「(まだ、頑張れるよ…?)」
前に向かって歩けるよ?
道に迷わないように
梨央ちゃんが作ってくれた
光の道があるの
「(霙は…そこに行かないと…)」
お願い
“ここ”で終わりなんて…やだよ…っ
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