太陽の木漏れ日
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その頃…
「遅れてごめん」
「期待を裏切らないわね」
「ん?」
「遅刻よ」
「あはは」
「笑って誤魔化さないで」
「詩調は厳しいなー」
へらりと笑えば、詩調は肩を竦める。
「リキュールも連れて来たの?」
彼女の腕の中にいるリキュールは短く手を挙げた。
「外の世界を見せてあげたくて」
「ついにお出かけデビューか」
「それに霙も喜ぶでしょう」
「そうだね」
人差し指を口元に当て、リキュールに言う。
「いいかい?外では人形のフリをするんだよ?見つかれば大変だからね」
リキュールはコクっと頷いた。
「霙はまだ来てないのか」
「いつもなら一番乗りに来てるのに…」
「仕事が長引いてるのかもね」
「もう少し待ちましょう」
だがいくら待っても待ち合わせ場所に霙は現れない。
「…遅すぎる」
「休憩が終わっちゃうわ」
「何かやらかしたか?」
「だとしても遅いわ」
「…………」
「本当にどうしたのかしら…?」
「約束を忘れてるってことはないと思う」
「えぇ、あり得ないわ」
「(彼女が遅れる理由は何だ…?)」
それと妙な胸騒ぎがする
気のせいか…?
「詩調、悪いけど霙を迎えに行ってくれる?」
「分かったわ」
ピクッ
突然リキュールが何かを感じ取った。
「どうした?」
そして手足をバタつかせる。
「そんなに暴れると落ちるぞ」
「急にどうしたの?」
「反抗期か?」
慌てたように身を捩らせるリキュール。
「待って…違うわ」
「!」
「リキュール、あたし達に何か伝えたいのね?」
表情は変化しないものの、焦るようにリキュールは詩調をじっと見つめる。そしてリキュールの伝えたいことを感じ取った詩調は驚いて目を見開いた。
「大変よ隊長!」
「どうした?」
「霙が…!!」
ザワッ
「「っ……!!?」」
僅かに感じた、不安定な霊圧の乱れ。
「今の霊圧…霙か!」
「っ、やられたわ…!」
「まさか…」
「急ぎましょう!」
「(どうか無事でいてくれ…!!)」
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