遠き日の思い出
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「私は良い仲間を持ったな」
「霙達が出会ったのは運命だったんだよ」
「それは素晴らしい運命だな」
「でしょー」
他愛のない話をしていると、全てのデザートがテーブルに運ばれ、ギュウギュウに並べられた。
「わぁ〜!美味しそうー!」
「アイスは先に食べた方がいいな」
「わかった!」
「いただきます」
「いっただっきまぁーすっ!」
ぱくっとアイスを口に入れると霙の目が途端にキラキラと輝いた。
「何これウマ!濃厚!」
「ブルーベリーとラズベリーの酸味がほどよく利いてバニラと合うな」
「しぃちゃんにも食べさせたかったな〜」
「また今度三人で来よう」
「うん!」
ぺろりとアイスを平らげると近くにあったデザートから手を付け、二人の胃袋に吸い込まれていく。
「桜桃の羊羹なんて初めて聞いた。抹茶の羊羹は食べたことがあるけど…甘味が強くて頬が落ちそう〜」
頬に手を当て、羊羹を美味しそうに頬張る霙。その様子に梨央も笑顔が浮かぶ。
「こんなに頼んだら蒼ちゃんに叱られるねー」
「見るだけで胸焼けすると思うよ」
「みっくんにも食べさせてあげたかったなー」
「仕方ないよ。今日は用事があるから零番隊舎には寄れないって言ってたし」
「用事かー。つまんないのー」
「雅にも用事というものが存在する。また別の機会にでも誘えばいいさ」
「じゃあ…るーたんは?」
「最近ナンパして知り合った女の子とデート中。今頃お茶して幸せな一時を過ごしてるんじゃないかな」
「ふーん…」
「帰って来たら“臭い”を落とさせないとな」
「るーたんの女癖の悪さも変わらないね」
「それが琉生の生き方なんだろう。彼は…人のぬくもりが恋しくなる男だからな」
「寂しがりなるーたん」
「(ただ、そこに“愛”はないけどね。)」
「帰ってきたらるーたんで遊ぼーっと」
「あまりイジメてやるな」
「人聞き悪いなー梨央ちゃんてば。霙はるーたんが退屈そうにしてるから仕方なく一緒に遊んであげてるのー」
ぷくーっと頬を膨らませる。
「ほら、むくれてないで残りのデザートも食べちゃおう」
「おー!」
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