遠き日の思い出
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昼頃、甘味処に到着した二人は店員に席まで案内され、メニュー表を渡される。
「新作がたくさん出てる〜」
「デザートも美味しいそうなのがあるな」
「ご注文はお決まりですか?」
スマイル満点の店員が注文票を用意する。
「うーん…」
「どれにするか迷う〜」
メニュー表を開いたまま、注文する料理を何にするか迷っている二人。店員は営業スマイルを浮かべたまま注文を待っている。
「(可愛い系と綺麗系だわー。日頃の仕事の疲れも吹っ飛ぶ。あー目の保養…。)」
二人を見ながらほっこりする店員。
「(今時の女子って感じね。二人とも細いしモデルみたい。こりゃ少食派ね…)」
何故かうんうんと一人で相槌を打つ。
だが、彼女は知らない。
モデル体型だとベタ惚れしている
二人の胃袋の大きさを────。
「とりあえず適当に頼もうか」
「さんせーい!」
「ショートケーキと紅茶を二つずつ」
「かしこまりました。
すぐにお作り致しま───」
“やっぱり少食ね”と思っていた店員だったが…
「それとティラミスと苺パフェ、ブルーベリーとラズベリーのアイスクリーム、ミルフィーユに桜桃の羊羹、マカロンとチーズケーキを二つずつお願いします」
「は……」
「あ、あと!オレンジジュース!」
「それも追加で」
「……………」
パタンとメニュー表を閉じてニコリと笑む梨央に店員は開いた口が塞がらない。
「(呪文…?)」
まるで呪文を唱えるかのようにスラスラと読む梨央に思わず顔を引きつらせる。
周りの客達も二人の声が聞こえていたのか、店員と同じ反応をしていた。
「(少食女子が…大食らい女子に…)」
勝手に少食だと思っていた二人がまさかの腹ペコ美女であったことに驚きを隠せないでいると、不思議こうにこちらを見る梨央がいた。
「あの?」
ハッとした店員は慌てて注文されたデザートを書き込んでいく。
「か、かしこまりました…っ」
かろうじて営業スマイルを作る。
「あ!パンケーキもあるよ!」
「ホントだ。それも頼もうか」
「うん!」
「(それも食べるの!?)」
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