遠き日の思い出
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『……………』
『しぃちゃん?』
『っ!?』
『今、何か隠した…?』
『な、何も隠してないわ。それよりどうしたの?』
『あ、うん。お菓子貰ったから梨央ちゃんとしぃちゃんと一緒に食べようと思って…』
『なら談話室で食べましょう。』
「赤い鈴?」
「チラッと見えちゃったの。あの鈴、しぃちゃんがいつも身に離さず持ち歩いてるんだ。でも何で隠しちゃうのかなって…不思議に思っただけなんだけどねー」
「彼女が鈴を持ってるなんて知らなかったな」
「その鈴を見てるしぃちゃん、すごく悲しそうな顔してた…」
「他人に見られたくないってことは何か事情があるんだろう。その鈴が彼女にとって凄く大切なもので思い出深い物なんだろうな」
「……………」
「あまり詮索をしてはいけないよ」
「!」
「いくら仲間と言っても彼女の思い出に触れる権利は私達にはない」
「うん…わかってる」
「さて話が長引いたな。そろそろ行かないと混む」
「だね!」
沈んだ表情からパッと笑顔に切り替わる霙と共に肩を並べて歩き出す。
「るんるんるーん♪」
「上機嫌だね」
「だって楽しみなんだもん!」
「それは良いがちゃんと前を見ないと…」
ドンッ
鼻歌を歌っていた霙の不注意で誰かとぶつかってしまう。ドサッと尻餅をついて倒れた女児に慌てた霙は咄嗟に手を差し伸べる。
「ご、ごめんね!大丈夫!?」
「だから前を見ろと言ったんだ…」
小さな息を吐けば霙はシュンと落ち込む。その手を掴んで女の子は立ち上がる。
「大丈夫!お姉ちゃんは?」
「うん!全然平気!」
“よかった”と言って女の子は笑った。
「うちのが申し訳なかったね。本当に大丈夫かい?怪我とかは?」
「ううん。ちょっとビックリしただけ!」
「キミは強いんだな」
「えっへん!」
「あ!やっと見つけた!」
「おかあさん」
「もう…探したのよ?勝手にいなくなったら危ないでしょう?」
「いたか!?」
「えぇ」
「おとうさん」
母親に続き、慌てた様子の父親も駆け寄って来た。両親は死神姿の二人を見て驚いた顔を浮かべた。
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