カタウデの少女
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ニコニコと笑う梨央の後ろで、蒼生が頭に手を当て、呆れるような顔で息を吐いた。それを見ていた雅が思わず苦笑する。
「正直言えば、楽しいです」
「…貴女、変わってるわね」
「初めて言われました」
「…何故、平気なの?」
「!」
「傷つくことを恐れないの?」
「傷つくことを恐れていては何も守れません」
「守るために貴女は傷つくの?」
「はい」
そう返事をした梨央に、詩愛は微かに表情を変える。
「…あまり無茶をすると危険よ」
「それ、遠回しに“死ぬかもしれないのに”って言ってます?」
静かに発した言葉に後ろで控えていた蒼生の身体がビクリと跳ねる。“妹の死”という言葉に恐怖を抱き、顔を強張らせる蒼生の霊圧が僅かにグラついたのを感じた梨央だったが、気付かないフリをした。
「命が削られるのよ」
「ふむ…確かに。一歩間違えれば死ぬかも知れません」
そしてニコリと笑んだ。
「でも、死にません。」
「随分と自信満々に応えるのね」
「果たさなければならない約束があります」
「約束?」
「その約束の為にも死ぬわけにはいきません」
「どうしてそこまで…」
「私には仲間がいます。大切な仲間です。今までずっと私と共に戦ってくれました。仲間を守る為に私は強くなります」
霙達が顔を見合わせて笑った。
「貴女は本当に強いのね」
「強くなければ何も守れません」
「羨ましいわ」
「(そう…約束がある。あの時交わした約束が。その為にも死ぬわけにはいかない。)」
「でも貴女、ちょっと危険だわ」
「!どういう意味でしょう?」
「最初に謝っておくわね」
「?」
「貴女…『死にたがり』?」
その言葉に全員が目を見開いた。
「特に死にたがりではないのですが…」
「そう…。気を悪くしたのならごめんなさい。別の言い方を考えたのだけれど…」
「いえ。回りくどい言い方は好きではないのでハッキリ言ってもらった方が助かります」
「…貴女、戦場でも無茶するでしょう?」
「仲間を守る為ならどんなことだってしますよ」
「!」
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