カタウデの少女
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「手紙の内容を見て驚いたわ」
「何て書いてあったの?」
「それはね…」
『四番隊第四席、華月詩愛に強制脱退命令を通告する。』
『原因は自身の体調管理による低下と先日の虚討伐による重大な過失。』
『現在の状態での仕事に臨むのは不可能と判断し、本日にて脱退と見做す。』
「ホント勝手な連中ね。自分のことしか考えてない能無しクズだわ」
「これは私の推測ですが…冴島桃香の仕業でしょうね」
「冴島さんの?」
「恐らく貴女の性格を利用したんです」
「…どういう事かしら?」
「冴島桃香は貴女が邪魔だった。取り巻き達を使っても決して屈しない貴女を護廷から追い出したかった」
卯ノ花の為に身体が悲鳴を上げようとも休まず、彼女の役に立つ為に精を尽くしていた詩愛。
罵倒の日々で本人も気づかぬうちに精神的なダメージが襲っていたとしても、彼女は決して挫けない強い心を持っていた。
「貴女の根気強さに冴島桃香も頭を悩ませた筈です。そして彼女は思いついてしまった。貴女を護廷から追い出す、最低な方法を」
「最低な方法?」
「貴女をボロ雑巾のように痛めつければ、いつかその姿が四十六室の目に触れるかもしれない。そしてタイミングが重なったかように貴女は虚討伐でミスを犯してしまった」
「!」
「普段の貴女ならしないであろうミス。きっと痛めつけられた身体が原因だったのではありませんか?」
「……………」
「詩愛たん…」
「ふぅ…凄いのね、貴女。そこまで解っちゃうなんて。あたしはね、自分では平気だと思ってたのよ?でも身体が限界だった。殺せる筈の虚を殺せず、逆に致命傷を負ってしまった」
「そこを奴等に目を付けられたんです」
詩愛は梨央を見る。
「四十六室は戦闘に不要な存在だと判断した場合、本人の意思に関係なく、護廷から追放するだけの力を持っています」
「!!」
「もうお分かりですね?」
諭すような梨央の言葉に、詩愛は肩の力が抜けたように短い溜息を吐いた。
「そう…そういうことだったの」
今になって護廷から追い出された本当の理由を知り、詩愛からは嘲笑が漏れる。
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