カタウデの少女
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「いただきまーす♪」
饅頭をパクッと頬張ると口内に広がる甘い味に霙は目をキラキラさせて顔を綻ばせた。
「美味しい〜❤︎」
「こっちの焼き菓子も食べる?」
「食べますとも!」
二個目の饅頭を口に放り投げる。
「(一口で食いやがった…)」
「蒼ちゃんも食べる?」
「コレもやる」
「え!いいの!?」
自分の分もくれる蒼生の優しさに霙はにんまりと笑う。
「太っ腹だね!
じゃあ遠慮なく…あーん。」
「……………」
蒼生の饅頭も一口で食べきった。
「相変わらずね、鬼灯さん」
「詩愛たんも元気そう!」
「詩愛チャンは昔と変わらず美人っスね」
「御影君が言うと下心丸見えだわ」
「ひでぇ!」
うふふ、と口に手を当てて微笑む詩愛。
「恥を知りなさい。女たらしクソ野郎」
「怖っ!!」
今にでも殺人を起こしそうな詩調の鋭い眼光に琉生は背筋を震わせる。
「はぁ…キミ達少し黙ろうか。」
ニコォ…っと威圧感を込めた黒い笑みを浮かべると一瞬でその場が静まり返った。
「あなた達は仲がいいのね」
「ありがとうございます。
さて…そろそろ本題に入っても?」
「ええ、もちろんよ」
「改めて、名を仁科梨央と申します」
「華月詩調よ。ふふ、随分と可愛らしい死神さんね」
「いえいえ、華月さんの美しさには敵いません」
「"可愛い"は否定しないんスね」
「……………」
咄嗟に出てしまった言葉。だが琉生は何の疑問も抱いていない。そんな彼の言葉に笑顔を浮かべたまま黙っている梨央。空気が不穏な流れを感じ始めた。
「(?なんか…空気が変わった…?)」
「琉生。」
「なんス……」
ゴスッ!
「ぐはぁっ!」
油断していた琉生の腹部に拳が一発、送り込まれた。
殴られた衝動で梨央の腹パンによって痛めた腹部を押さえて悶絶し、苦しむ琉生。
一同は思う。
"バカだな"…と。
そして梨央は何事もなかったように再び詩愛に向き直す。
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