カタウデの少女
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「キミ達は死神を知ってるの?」
「うん!知ってるよ!」
「だって詩愛姉も…」
「死神が何の用じゃ」
「じじ様!」
子供達を背中に隠し、梨央達から引き離す。怖い顔をした一人の老人が杖を持って死神である梨央達を警戒するように睨んでいる。
「(素直に応じるのは難しいか…)」
立ち上がった梨央は顔を上げ、老人を見る。すると老人は目を見開いた。
「っ!?お…お主、は…」
「?」
まるで幽霊でも見るかのような眼差しを向けられ、梨央は首を傾げる。驚いた顔で固まる老人は蒼生にも目を向け、言葉を失った。
「……………」
その反応に蒼生も疑問を浮かべる。だがハッとした老人は再び怖い顔をした。
「この村に何の用じゃ」
「失礼ですが貴方は?」
「…この村で村長をしておる。お主ら…死神じゃな?」
「えぇ」
「村長…もしかしたらコイツら…」
「わかっておる」
耳打ちをする村人の言葉に頷いた老人は梨央を見る。
「死神がこの村に何の用で参った?」
「そんなに警戒心を剥き出しにされると答えづらいのですが…」
村人達の鋭い視線にも怯えず、むしろ堂々とした佇まいで梨央は笑んで言った。
「ですが正直に白状しましょう」
次の瞬間、笑みを浮かべていた梨央の顔が真剣な表情に切り変わる。
「華月詩愛に会いたい」
ざわっ
「詩愛だと?」
「やっぱコイツら…」
詩愛の話を出した途端、村人達は急に騒がしくなる。
「(顔色が変わったな。)」
「(間違いなくいるわ。)」
「(さっきの子供も“詩愛姉”って言ってたし。)」
「(ここで逃げられるのは惜しい。)」
「(梨央。)」
「(わかってる。)」
梨央達は目配せをする。
「そのような名前の娘はおらん」
「貴方は嘘が下手ですね」
「本当の事じゃ」
「さっきの子供が言い掛けた言葉、覚えておられますか?」
「!」
「“詩愛姉”…とおっしゃったんです」
「…………」
「会わせて頂けますね?」
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