市丸ギンという男は
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「証拠はないんやろ?」
「私に濡れ衣を着せたのはそっちだろ」
「濡れ衣やなくて全部事実や。あの実験を計画して実行したのも、彼らを利用して命を奪ったもの、全部君やないの」
その不敵な笑みにギリッと歯を噛み締め、怒りを抑えられず、拳をギュッと握った。
「(あまりの酷い言い分に頭がおかしくなりそうだ。)」
「もし…梨央ちゃん苛めたら怒るやろね、副隊長さん」
「ブチ切れて殺すかも知れないな」
はっと鼻で笑い飛ばす。
「それは怖いなァ。でも安心してや。まだ手放す気はあらへんよ。君は丈夫やから簡単に壊れたりはせえへんやろ?ボクはこう見えて気に入った玩具は使い物にならなくなるまでボロボロに使う主義なんや」
市丸は楽しそうに笑みを浮かべた。螢はスッと冷たい眼差しを市丸に向ける。
「これだけは覚えておけよ」
ビリッ
「!」
雰囲気が一瞬で豹変し、市丸は閉じた瞼を押し上げ、驚きで目を見開く。
「もし兄や仲間に手を出してみろ。その時はキミを殺してやる。逃げようとしても何処までも追いかけて必ず殺す。この世から肉片も残らず消し去る」
ギラリと鋭く光る眼は、どこか恐ろしい。
「斬って殺して…ぐちゃぐちゃになるまで殺し続けて…キミという存在を世界から葬る。誰かが悲しむことになっても知るか。私は絶対に殺すぞ。だから命が惜しければ…彼らに危害を加えることは許さない」
身体が硬直してしまう程に殺気をぶつけられ、その低く冷たい声は市丸の背筋を凍らせる。
「そのつもりで生きろよ」
螢は最後に冷たい瞳を市丸に向け、瞬歩でその場を立ち去った。
彼女がいなくなったおかげで、殺伐としていた鋭い空気は解かれ、怒りで上がっていた霊圧も消える。
「せやから…人格疑うんよ」
市丸の米神から冷や汗が流れた。その汗は頬を伝い、顎から落下すると地面に落ちた。
「なんやのあの子…。絶対人格者や…。相変わらず…化け物やな…」
引きつった笑みのまま、市丸は隊首羽織を翻し、自分の隊に戻って行った。
市丸ギンという男は
綺麗な光を丸呑みにする
邪悪な蛇である───。
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