独りぼっちの少女
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【シャボンディ諸島】
「着いたぜ嬢ちゃん」
眠っていた少女は男の声で目を覚ます。
「あれがシャボンディ諸島だ」
身を起こして確認する。親切な男の船に揺られ、数ヶ月。少女が目指す島にやっと辿り着いた。
────【シャボンディ諸島】。
「…やっと辿り着いたぁ〜」
身を隠すように覆われた黒いマント。顔もフードで隠れ、その姿を確認することは出来ないが、声はまだあどけなさが残る。
「悪いが道案内はここまでだ」
「ありがと!助かったよ!」
男にお礼を言って船を降りた。
「お?」
島に入ろうとして足を止める。視線の先にあったのは獅子の顔を象った大きな海賊船。
「あの海賊旗…見覚えがあるような…?」
思い出そうとしたが面倒になりすぐに諦める。
「まぁいっか。早く遊園地に行こ♪」
ウキウキ気分で遊園地に向かう。その途中に並んでいる屋台に目を輝かせた。興味を示した少女は看板に『天気飴屋』と書かれた飴屋に立ち寄る。
「雨色キャンディーくださいな♪」
「まいどあり!」
注文を受けた店主は既に出来上がった棒付きの飴を土台から抜き取って少女に手渡す。
「雨の模様が描かれてる!」
「雨の雫を練り込んで作り上げたんだ。完成すると自然に模様が浮かぶんだよ」
「初めて見た!」
「美味いから食ってみろ」
口の中に放り込み、コロコロと転がす。舐めれば舐めるほど甘さが増し、自然と笑みが溢れる。
「飴ってこんなに美味しいんだね〜」
「気に入ったか?」
「もちろん!そっちの稲妻キャンディーもちょうだいな!」
「少しピリピリするが平気か?」
「ノープロブレム!問題ナッシング!」
すぐに溶けてなくなったキャンディーの棒を捨て、次のキャンディーを受け取る。
「ほら」
「こっちも不思議〜。飴の中で弱い稲妻みたいな電気がパチパチしてる!」
「そんなに強くはないが、子供やお年寄りには少しキツイかもな」
「でも美味しいよ。面白いね。お兄さんは飴職人なの?」
「妻と子供がいるんだ。家族を養う為に始めたのが切っ掛けだな。二人の喜ぶ顔を見ると嬉しいんだ」
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