独りぼっちの少女
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「まぁ時間はまだあるし、遊園地は後回しにしてショッピングでもしようかね」
「そこの黒づくめのお客人!」
「んあ?」
「グラマン買って行かないかね!?」
店主に呼び止められ、屋台に近寄る。
「グラマンって何?」
旗には“GR名物!!”と書かれている。
「“
「ん〜!いい匂い〜!」
「試食してくかね?」
「お願いします!!」
爪楊枝が刺さったグラマンを紙皿の上から取り、口に運ぶ。
「『新世界』へのお土産に大好評ね。3ヶ月も日持ちするから安心ね!!」
「うまぁ〜♪」
頬に手を当て、もぐもぐと堪能する。
「気に入った!3箱ちょうだいな!」
「まいどありー!!」
「や〜!シャボンディ諸島って素敵!」
「“ボンバック”に入れて持ち歩くといいのね」
「風船みたい。シャボン玉の中に入れて紐を持って歩けるなんてすごーい!」
「お嬢さんは良い反応をしてくれるね!気分がいいからこっちの“グラせん”も特別にオマケしておくね!!」
「いいの!?ありがとおっちゃん!!」
少女は子供のように飛んで喜ぶ。
「はぁーいい買い物したぁ〜。あ、結構時間経ったな。うーん…遊園地は無理そうか」
ザワッ
「ん?」
店を出て歩いていると何やら向こう側がやけに騒がしい。その群衆に近付けば、動揺を隠せない者や顔を青ざめ、身体を震わせている者達がいる。
「(何の騒ぎ?)」
少女は群衆の波を掻き分け、前に出る。
するとそこにいたのは…
「むほーん。シャルリアもチャルロスもお父上も僕ちんを置いて一体どこに行ったんだえ?」
天竜人だ───。
「最終目的地は分かっておりますのでご安心ください」
首輪を付けた傷だらけの人間の奴隷が四つ這いになり、その背中に天竜人を乗せている。天竜人の名はカリュロス。飴屋の店主が言ったように一般人と同じ空気を吸わないようにマスクをしている。
「(なんて酷い…)」
周囲の人々は恐怖に怯え、見て見ぬフリをしていた。顔を伏せ、その場から動こうとしない。
.